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【映画】『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』感想(ネタバレあり)

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』公開おめでとうございます!

私は2/4に行われた完成披露上映会に参加し、大興奮の時間を過ごさせていただきました。デジモンを観て育った当時の子どもたちに刺さりまくる素晴らしい作品だったので、ぜひ劇場でご覧になってください!

本ブログは映画の感動を忘れたくなくて興奮のままにダダダーッと文字にしているためネタバレ満載です。楽しみにしている方の閲覧はご注意ください。初見の驚きや興奮は一生に一度のものなので・・・。もう観たよ!という方は一緒に語りませんか?(切実)

 

【目次のようなもの】

  

私とデジモン

私は『デジモンアドベンチャー(劇場版2作・TVシリーズ)』『デジモンアドベンチャー02(劇場版・TVシリーズ)』『デジモンテイマーズ』及び『デジモンアドベンチャーtri.1~5章』をリアルタイムで視聴していた世代で、大人になってからも無印を中心に何度も見返しては勇気をもらっているデジモン大好きっ子です。学校の休み時間にデジヴァイスで通信対戦をして遊んでいたら、先生に見つかり叱られた&デジヴァイスを没収された、なんてこともあったな・・・(よいこは絶対に真似しちゃダメ)

 

上映会の様子

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f:id:tonai-gourmet:20200218150745j:plain上映前の劇場内ではずっと『Butter-Fly』が流れていて、その時点で涙目に・・・。客層も私ぐらいのデジモン世代を中心に、若い人もお年を召した人も男女問わずたくさんいらっしゃって、「やっぱりデジモンは老若男女に愛されているんだなぁ・・・」と胸がいっぱいになりました。

上映前には舞台挨拶があり、田口智久監督、太一役・花江夏樹さん、アグモン役・坂本千夏さん、映画オリジナルキャラのメノア役・松岡茉優さんが登壇されました。その時の様子は各種ネットニュースや映像ニュースになっているので詳細は割愛しますが、田口監督も花江さんも松岡さんもデジモンをリアルタイムに観ていた世代で、“当時の子どもたちが大人になり、今こうして新たなデジモンの物語を作っている”というお話がとても印象的でした。「監督のデジモン愛が伝わってくる」という花江さんを筆頭に、松岡さんは「映画の冒頭からそうくるか~って!ファンはタコ殴りにされます!」とか、坂本さんも「あんなに泣かされると思わなかった。最後すっごく泣いちゃうから!」とか、とにかく早くファンのみんなに観て欲しい!という興奮が伝わってくる熱い舞台挨拶でした。私は坂本さんがお話をされる度に「アグモンだ・・・アグモンがいる・・・」という感動が止まらず、ずっと坂本さんの方にくぎ付けになっていたと思います。そして満を持して上映です・・・!!

 

以下はストーリーに沿って感想(というかほぼオタクの心の声)を記載していますので、繰り返しになりますが閲覧ご注意ください!

 

ストーリーとネタバレ感想 

本作『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(通称ラスエボ)』はデジモンアドベンチャー20周年記念作品として製作されたもので、太一たちがデジタルワールドを冒険したあの夏から10年ほど経った2010年を舞台に描かれています。

冒頭から流れるのは名曲『ボレロ』。キタキタキターッ!デジモン劇場版といえばボレロですよね! そしてデジタルノイズによる電波障害の中から現れたのは・・・パロットモン!?君はパロットモンじゃないか!駆け付けたエンジェモンとエンジェウーモンが応戦する中、アグモンも『brave heart』をBGMにグレイモンに進化。パロットモンvsグレイモンは熱い・・・!最後はヤマトとガルルモンも合流してなんとかパロットモンをデジタルワールドに送り返します。しかし、労をねぎらう間もなく太一とヤマトはそれぞれの大学へ。残されたアグモンとガブモンが少し寂しそう・・・。

このわずかな時間で『劇場版デジモンアドベンチャー』を彷彿とさせるファンにはたまらない演出の数々。まさに“タコ殴り”状態。心臓がもたない。

 

序盤に上がったテンションを落ち着かせるように描かれるのは、選ばれし子どもたちの“今”の日常。太一は友人と就活や卒論の話をしたり、パチンコ屋でアルバイトをして独り暮らしの部屋に帰る日々。ヤマトも大学で友人と進路の話をしたり、楽器屋でハーモニカを吹く子どもを少し眩しそうな目で見つつ去っていく・・・。これらのシーンに散りばめられた子どもの頃との違いを簡単にまとめると、

 

■環境の変化

  • 選ばれし子どもたちとデジモンの存在はもはや世間の公認となり、その数も増えている(全世界に3万人!)
  • 通信手段の発達によりどこにいても仲間と連絡をとれるし、デジタルゲートを使った移動までできるようになった(島根にパソコンがないなんてもう言わせない)

■心境の変化

  • 太一とヤマトは大学四年、自分の進路に悩む大人への過渡期に
  • 他の仲間もそれぞれの道を歩み始め、このままでいいのかという思いが常に付きまとう

 

短いカットの連続の中で“あの頃とはもう違う”ということをこれでもかと見せつけられます。私は特に太一とヤマトがホルモンをつつきながらビールを飲んで昔を振り返るシーンに時間の流れを感じました・・・わかっちゃいたけど2人とも成人したんだよなぁ・・・(しみじみ)。

とはいえ、ここで描かれているのは等身大の大学生らしい暮らしと悩みで、多くの人が共感できるものだと思います。私はあの時期をどう過ごして乗り越えたんだっけ?と振り返りたくなる気持ちなったところで、事態は大きく変化します。

 

光子郎のオフィスを訪れたデジモン研究家のメノアと助手の井村。「未知のデジモン“エオスモン”によって選ばれし子どもたちの意識が奪われる事件が起きている」ことを知る太一たち。早速エオスモンを叩くために電脳空間に潜ります。エオスモンのデジタマや電脳空間、トンネルの描写、モニターに映るメノアなど『僕らのウォーゲーム』の演出をオマージュしててうれしい!あの時と違うのは最初からパートナーと一緒に出撃できていること。凄い時代になったもんだ・・・。

出し惜しみなしでオメガモンとなってエオスモンを追い詰めたところで、突如としてオメガモンの進化が解けてエオスモンは逃げてしまいます。帰還した太一たちにメノアが告げたのは、「選ばれし子どもたちの成長と可能性のパワーが失われると、デジモンとのパートナー関係は解消される」という衝撃の事実。今後無理な進化や戦闘をするとパートナーデジモンとの別れが早まると言われ、受け入れられない様子の太一とヤマト。

えっ・・・子どもじゃなくなるとデジモンとは一緒にいられなくなるの・・・?でも『デジモンアドベンチャー02』の最終回で、大人になってもデジモンと一緒に活躍してるっていってたよね・・・?という私の動揺をよそに、ミミや丈といった仲間たちの意識が次々とエオスモンに奪われていきます。つ、つらい・・・。(本作と02最終回との繋がりについてはブログの最後で)

 

太一、ヤマト、光子郎がそれぞれ真相を追い求めるうちに、黒幕はメノアだったと判明します。その光子郎もエオスモンに意識を奪われ、テントモンと共に行方不明に。しかし光子郎の残したメッセージのおかげでエオスモンのいる座標が判明し、太一とヤマトはパートナーデジモンとの別れを覚悟しつつ最後の戦いに挑みます。

このシーンで確か太一が「誰かがやらなくちゃいけないんだ」というようなことを言うのですが、このセリフが実に太一らしくて・・・いつも選ばれし子どもたちを引っ張っていたのは太一の勇気と責任感だったよな・・・と改めて感じて、ちょっと涙。

 

メノアとエオスモンがいる座標にいたのは、意識を奪われた世界中の選ばれし子どもたちとそのパートナーデジモン。メノアはここを彼らにとっての「理想郷=ネバーランド」と呼び、子どもの頃の記憶のままに楽しそうにパートナーデジモンと遊ぶヒカリやタケルを見た太一たちは戦意を喪失しかけます。わかるよ・・・普通の子どもでも大人になりたくないと思うことがあるのに、パートナーデジモンと別れないといけないという辛い宿命を突きつけられたら、ずっと子どものままでいたいと思ってしまうと思う・・・。メノアの言葉を否定できずに打ちひしがれる太一とヤマトの姿に胸が張り裂けそうになります。

でも、そんな私と太一たちを現実に引き戻してくれたのがアグモンとガブモンでした。大人になっていく太一たちに対して、あの頃と変わらないアグモンたちだからこそ、まっすぐな気持ちでパートナーを信じて戦える。「メノアを止めてみんなを助けよう」とパートナーを鼓舞するアグモンとガブモンの姿に、彼らの積み重ねてきた時間と絆の強さを感じてまた涙が・・・。

 

しかし試練はまだ続きます。覚悟を決めて必死に戦う太一とヤマトの前に立ちふさがったのは選ばれし子どもたち。ネバーランドを壊そうとする太一たちを責めるかのように、光子郎が、ヒカリが、タケルが・・・パタモンやテントモンが・・・太一たちを攻撃し、のしかかってきます。もう辛すぎて直視できない・・・。

それでもあきらめずに「前に進んでいくんだ」「未来に向かって進むんだ」と手を伸ばした太一が掴んだのが、ヒカリの首に下げられたホイッスルで・・・。ここでまさかの『劇場版デジモンアドベンチャー』のあのシーンが挿入され、劇場内の至る所で息を飲む音が聞こえました。時が止まったかのような静寂のあと、みんなが意識を取り戻しエオスモンに立ち向かっていきます。

1999年の光が丘で太一とデジモンを目撃したあの子どもたちが、あの時と同じホイッスルの音で正気を取り戻すというストーリーの繋がりに鳥肌。号泣。拍手喝采

 

『これが俺たちの、最後の進化だ!』

 

も~~~~~~かっこいいよ!!!!エオスモンの究極体(と思われる姿) は女神のごとき神々しさで、これまでのデジモンの中でもトップクラスに美しい造形だと思いましたが、それ以上にアグモンとガブモンの新しい進化が圧倒的にかっこよかった!!!(名前がわからないのでパンフレットに載っていますように)

メノアもモルフォモンの最後の言葉をきちんと受け取れてよかったです。手段は間違っていたかもしれないけれど、パートナーを失う悲しみを誰にも味わせたくなかったという想いは共感できます。いつか戻ってきたら、これまでとは違ったアプローチでデジモンと人間の共生の道を探ってほしいな・・・。

 

こうして平穏が訪れた夏の日の終わり。

太一とアグモン、ヤマトとガブモンの穏やかな時間。

差し迫る別れと向き合った上でのいつもと変わらないやりとり。

そして・・・

(この辺りは顔面がぐしゃぐしゃになるくらい泣いていたのであまり文字にできない・・・)

 

 

 『物語は新たな領域に進化する』

 

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太一たちから受け取ったバトン

濃密な1時間半。「大人になるってなんだろう」「何が変わるんだろう」といった様々な問いを投げかけられる作品でした。メノアが劇中で語った通り、子どもの頃に持っていた全能感や無限の可能性といったパワーは、大人になっていく過程で諦めることを覚えたり、不要なものとして削ぎ落していったりするうちに小さくなっていくかもしれません。でも、この映画は「大人になることは、なにか大切なものを失うかもしれないけれど、決して悪い事じゃないんだ」ということを教えてくれます。太一とヤマトは別れを乗り越え、新たな目標を胸に一歩を踏み出します。そこにはまた新しい無限の可能性が広がっていました。子どもの頃の私に勇気や友情の大切さを教えてくれた彼らが、20年経って大人になった私の背中をまた優しく押してくれて、私は胸を張って清々しい気持ちで劇場を後にしたのです。彼らの冒険の終わりと新たな旅立ちを劇場で見届けることが出来て本当に幸せでした。

 

(以下は記事の中に盛り込めなかった雑感)

  • 光子郎!ウーロン茶はダメだって!・・・あれ、大丈夫だった
  • アグモンの「グ~~~~」というお腹の音にいつも救われる
  • 賢ちゃんの腕にぶら下がってるミノモンめっちゃ可愛い
  • 空が握りしめてたデジヴァイスがもう・・・たった一人でお別れをしたんだね・・・

特に空は現在YouTubeで公開中のメモリアルエピソード『空へ』の中で「戦いには参加しない」と決めていたため本編の登場も極めて少なかったですが、「自分の進む道を決めた=大人になった」ということでピヨモンとの別れが来たことが容易に想像できます。一人で抱えるのはつらかっただろうね・・・。

 

大団円ながらも少し気になる終わり方をした本編でしたが、4月からは新アニメ『デジモンアドベンチャー:』が始まりますし、これからもデジモンが盛り上がっていくと思うととてもうれしいです!ひとまず私は明日も舞台挨拶つき上映会に参加してくるので、思い切り“デジモン泣き”してきます!パンフレットも買うぞ!

 

2回目を観終えての新たな気づき (2/26追記)

去る2/22(土)に2回目のラスエボ鑑賞及び上映後舞台挨拶に行ってきました。

登壇されたのは選ばれし子どもたちとそのパートナーデジモン&田口監督の総勢17名!お一人ずつマイクを持ってデジモンへの想いを語ってくださったのですが、アグモン役の坂本さんが早々に泣いているのが分かってもらい泣き・・・。デジモンを愛するキャストの皆さんと観客の愛に包まれた素晴らしい時間を過ごしました。そして、今作が20年間続いてきた『デジモンアドベンチャー』の最後なんだと実感してしまいまた涙が・・・。

 

映画本編は2回目とか関係なくボロ泣きだったのですが、ストーリーを分かった上で細かい部分を改めて反芻してみると、(リンクのツイートのツリーでも書いたのですが)メノアの「デジモンの進化は子どもたちの成長がトリガーになっている」や、ゲンナイさんの「無限の可能性があれば或いは・・・」といったセリフの通り、最後のアグモンとガブモンの絆の姿は、太一たちが前に進んでいくと決めた=大人への新たな可能性を切り開いたパワーによって“まだ見ぬ進化”を遂げたのだと思いました。TVシリーズの頃からデジモンの進化は子どもたちの心の成長がきっかけとなっていましたが、オメガモン以降なかった全く新しい進化が起こったのが、太一たちが子どもから大人へと変わる瞬間だったということにすごくすごく感動しました。

 

それと今作の位置づけについて、パンフレットでプロデューサーの木下陽介さんが『02の最終話で明示されている25年後をゴールとして、まだ描かれていない「太一たちの2010年」という楔を今作で打とうと考えました(原文まま)』と明言していましたね!これまで02のラストに至る25年の歳月を彼らがどう過ごしたのかは視聴者の想像に委ねられていましたが、今作によって太一たちは一度パートナーとの別れを経験し、そこから諦めずに進んだからこそあの02の最終回の未来があった、ということが公式に示されました。そういう想いで観るとラストのシーンは違った感動があると思うので、近いうちにもう一度劇場で観ます!!!

 

その他のラスエボに関する私の感想、ネタバレ、オタクの叫びはこちらにまとめています。

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長くなりましたが、ここまで読んでくださった選ばれし子どもたちがいたら感謝です。ありがとうございました。