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【映画】『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』感想(ネタバレあり)

デジモンアドベンチャー02 THE BIGINNING』公開おめでとうございます!

 

本ブログは2020年の『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』のネタバレ感想記事以降更新をしていませんでしたが、なんと3年経った今・・・続編映画が公開されます!やったー!

10/5に行われた完成披露上映会に参加することが出来たので、再び映画の感想を語りたい~!という想いで久々に記事を書くことにしました。『LAST EVOLUTION 絆』が公開された頃は新型コロナウイルスへの不安が急速に広がっていたタイミングで、劇場で観れなかった人も多くいたのではないかと思います。なので今作は少しでも多くのデジモンファンに映画館で観てもらえたらうれしいです!

(そんなラスエボの感想記事はこちらです↓)

tonai-gourmet.hatenablog.com

 

【目次】

 

本作について

デジモンアドベンチャー02 THE BIGINNING(以下:02ビギニング)』は、2020年に公開された『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(以下:ラスエボ)』の続編として製作された映画で、TVアニメ『デジモンアドベンチャー02』の登場人物である本宮大輔やブイモンといった所謂02組が主人公の作品です。ラスエボでの出来事から2年ちょっと経った2012年冬の事件が描かれています。

02組がメインの映画は2001年公開の『ディアボロモンの逆襲』以来、実に22年振り!!ファンが持ち焦がれた待望の作品です・・・!また、《ラスエボで描かれたパートナー解消はどうなるのか》、《02最終回の未来に繋がるのかどうか》といったところも注目されています。

 

上映会の様子

私は10/5に行われた完成披露上映会のうち、本編上映後に出演者と監督が登壇する舞台挨拶の回に参加しました。

舞台挨拶の詳細は各種ネットメディアで記事になっていたりフルサイズで映像を公開しているところもあるので割愛しますが、終始02組らしい賑やかで仲のいい様子が伝わってきて、見ているこちらまで笑顔になる素敵な時間を過ごしました。

そして今回新たに加わった大和田ルイ役の緒方恵美さん、ウッコモン役の釘宮理恵さんは「劇場に集まったデジモンファンにこの作品やキャラクターが受け入れられるか不安だった」とお話されていて、会場から沸き起こった拍手に少し安心したようでした。特にルイは劇中で辛い描写が多い役のため、緒方さんは収録の際「デジモンのアニメとしてどこまでリアルに表現するか」で悩まれたそうです。最終的に監督の判断で辛い描写をアニメでも芝居でもしっかりと表現しきることになり、「覚悟を持って演じた」という話が印象的でした。

以下からはストーリに沿って感想(という名のオタクの心の叫び)を記載していきますので、ネタバレにご注意ください!

 

ストーリーとネタバレ感想

冒頭はラスエボと同じくタケルの綴る小説の一文からスタート。デジモン映画お馴染みの『ボレロ』が流れる中、突如として東京タワー上空に巨大なデジタマが出現します(歴代映画のオマージュでうれしい!)。そして世界中のデジタル機器に表示されるみんなにともだちを、世界中すべてのひとにデジモンというメッセージ。

『ターゲット~赤い衝撃~』のOPに合わせて、TVシリーズの頃には小学生だった子どもたちが、成長し日々を過ごしている様子がダイジェストで流れます。02組はラスエボでも登場していたのでそこまで大きな時間の経過は感じませんでしたが、

本宮大輔:専門学校生。ラーメン屋出店に向けて修行の日々

一条寺賢:大学2年生。警察官の試験に向けて勉強中

井ノ上京:インドに留学中。光子郎に代わりデジモンのコミュニティを運営

火田伊織:高校3年生。弁護士を目指してアルバイトも

高石タケル:大学2年生。本格的な執筆活動を始めている

八神ヒカリ:短期大学生。夢に向かって保育所でアルバイトを始める

と、夢や目標に向かって着実に歩んでいる子どもたちの《今》が描かれています。そんな子どもたちの傍らにはパートナーデジモンの姿も。ラスエボの太一やヤマトとは違い、子どもの頃と変わらぬ関係でいることが伺えます。

 

デジタマ騒動を受け、大輔が間借りしているラーメン屋に集合する02組のメンバー。ここの俯瞰のシーンが好きすぎる・・・!!大輔はラーメンを茹でていて、ブイモンはトッピングのこととかブツブツ呟いていて、他のメンバーはデジタマ事件のことを喋っている・・・このわちゃわちゃした感じが観たかったんだ・・・!

なんてオタクがニコニコしている間に事態は急展開。中継カメラが捉えたのはデジヴァイスを手に東京タワーのアンテナをよじ登っていた青年が転落する姿・・・!すんでのところでスティングモンが救出しましたが、話を聞こうとする大輔やデジモンたちを快く思っていない様子。青年は「僕のパートナーデジモンは僕が殺した」、「僕は世界で初めての選ばれし子どもだ」と告げます。そして「人間とデジモンは出会うべきではない。お互いを不幸にするだけだ」と強い口調で言い切るのです・・・。

 

一旦その場を離れてさらに話を聞く一同。青年”ルイ”が上空のデジタマと関係がありデジタマの元に向かおうとしていたことが分かると、大輔は録に話を聞かないままルイをデジタマの元に送り届けようとします。パイルドラモンにジョグレス進化したブイモンとワームモン、大輔、賢、ルイは東京タワー上空にたどり着いたものの、ルイのデジヴァイスは反応せず何をしたら良いかわかりません。(ここで大輔の「インペリアルドラモンになり損かぁ~!?」って情けない叫びが好き)

すると強風に煽られたルイがパイルドラモンから落ち、助けようとした大輔たちもデジタマの中に吸い込まれるように落下してしまいます・・・!落ちたルイと大輔たちが目を覚ました場所は、なんと1996年の光が丘。そこで大輔たちは幼いルイの目の前にデジタマが現れる瞬間を目撃することになります。

ルイの家庭環境、心身ともに追い詰められていた様子の母親、雪の降るベランダ・・・ここだけで本作が描く願いの残酷さや重さが伝わってきて、すでに苦しい・・・。

その後現在に戻った大輔たちですが、東京タワー周辺での大立ち回りのおかげで騒ぎになってしまったため場所を移すことに。移動先は伊織の高校のパソコン室。あの頃とは別の場所だけど、02組にとってパソコン室はホームのようなところなのでうれしい!

 

子どもたちとパートナーデジモンとの絆に懐疑的なルイ。過去にあった出来事をゆっくりと話し始めます――

ルイのパートナーデジモンだった”ウッコモン”との出会いは、ルイの4歳の誕生日(2/29のうるう年生まれ)でした。ルイの目の前に現れたウッコモンは、「なんでも願いを叶える」と言います。そこでルイは「僕に優しくて、いつも守ってくれる友達が欲しい。そしていつか世界中の人と友達になりたい」と願います。それ以降ルイとウッコモンはいつも一緒。父は突然元気になり、母も急に優しくなり、学校でたくさんの友達もできて、ルイの望んだ通りの暮らしを送ります。

ルイの8歳の誕生日(2000年)には、両親だけでなく友達もお祝いに来てくれますが、ウッコモンはさらに「次の誕生日にはルイと同じ友達をたくさん連れてくる」と約束します(ずっときな臭さがヤバい)。

ウッコモンはルイの幸せを喜ばしく思いあれこれと世話を焼き、幼いルイもそれをなんの疑いもなく享受していました。しかしそんな二人の関係は、お台場にディアボロモンが現れたあの日、突然終わりを迎えます。

この先は言葉にするのも辛い・・・。苦しくて、おぞましさすら感じて、ルイとウッコモンどちらの立場に立っても悲しくて・・・。激昂し感情のままウッコモンを責めるルイと、なぜルイが怒っているのかわからず全く調子の変わらないウッコモンとの対比で心がぐちゃぐちゃになりました。そしてルイがウッコモンを否定する言葉を放った瞬間、ウッコモンはドロドロに溶けていなくなり、残ったのは欠けたデジヴァイスとルイの右目となったウッコモンの目玉だけでした―…

 

ルイの話を聞いた一同は、ウッコモンがルイの願いを叶えるために『選ばれし子どもとそのパートナーデジモン』という関係を作り出したのかもしれないという可能性に狼狽えます。でも自分たちのパートナーシップが誰かに作られたものだとは思えず、子どもたちの議論が紛糾しかけた時、一番大切なことに気づかせてくれたのはデジモンたちでした。パートナーとの関係は作りものじゃない、一緒に築いてきたものなんだ――と。そこで時刻は午前0時を過ぎ、2/29、ルイの誕生日に―…

すると突然東京タワー上空のデジタマが孵り、生まれた本体から伸びる無数の触手の先にデジタマのデータが転送され始めます。そして再び現れるみんなにともだちを、世界中すべてのひとにデジモンというメッセージ(この時のウッコモンの姿は”クリオネの捕食シーン”といえば伝わるでしょうか・・・)。

ウッコモンがルイの誕生日を祝うために、強制的に世界中の人々にパートナーデジモンを作ろうとしていることが判明し、大輔たちはウッコモンを倒すかどうかの選択を迫られることなります。

 

このままウッコモンを放置すれば70億人に突然パートナーデジモンが与えられ世界は大混乱に陥ります。そして何より、人間もデジモンも望まないパートナーシップが結ばれてしまう・・・。しかし、タケルはウッコモンを止めることはパートナーデジモンとの別れに繋がってしまうのではないかと不安を口にします。これは自分たちだけの問題ではなく、世界に6万人いる他の選ばれし子どもたちの絆を奪うことになるかもしれない・・・。世界の危機とパートナーとの絆、どちらを取るか踏ん切りがつかないチームの中で、大輔とブイモンだけはパートナーとの絆は何があっても変わらないとまっすぐに信じていました。毎日一緒にラーメンの研究をしてきて、明日何をするか言わずともわかる関係。そうなるまでにお互いがいっぱい会話をしてきたことが伝わってきます。そして大輔はルイに「ウッコモンとちゃんと話をして来い」と手を差し伸べるのです。ルイこそがウッコモンを止められる唯一のパートナーだと確信し、チームがひとつとなり前を向きます。

この屋上のシーンでは、タケルが一番パートナーを失う可能性を危惧していたのが印象的でした。デビモンとの戦いでパタモンを失ったこと、ウイルスに侵されリブートで記憶をなくしたパタモンと出会ったこと、彼のこれまでの冒険の経験がそうさせているのかなと思うと胸が締め付けられます。賢ちゃんのルイへの励まし方もすごく良かった。過去の自分の過ちと重ねて、ルイとウッコモンに”互いと向き合う大切さ”を伝える姿は賢ちゃんの持つ優しさそのもの。他にも最後まで諦めずに思考する京など、子どもたちそれぞれの経験と考えが際立つやり取りの連続で、劇中でも特に好きなシーンの一つです。

 

いざ、ルイをウッコモンの元に届けるために進化だ!!インペリアルドラモンは大輔と賢とルイを乗せて東京のビル群を掻い潜るように東京タワーを目指します。こいつ、めっちゃ動くぞ・・・!!バトルシーンにお金をかけたと聞いてはいましたが、スクリーンいっぱいに動き回るデジモンたちの姿に感動・・・!何よりインペリアルドラモン:ドラゴンモードがヌルヌル動く姿を初めて観れて最高でした(推し)。ウッコモンも大輔たちを近づけまいと攻撃を仕掛けてきますが、シャッコウモンとシルフィーモンのアシストもあり遂にルイを送り届けます。

ウッコモンの中へと落ちていったルイは再びあの日の光が丘へ。母親と向き合い、再会したウッコモンと向き合い、そしてルイが願ったことは―――。

 

こうしてルイとウッコモンの新たな未来へと続く冒険のページがめくられたのでした。

 

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全てが終わり、雪が降る中、子どもたちとデジモンは雪合戦を始めます。そこには晴れやかな顔をしたルイも混じっていて、とても優しく、穏やかで、愛しい光景が広がっていました。このシーン良すぎて気づいたら涙が・・・。

ここで聞こえてくるナレーションの声が・・・平田さん!?02最終回と同じ演出がきて鳥肌!大人になったタケルの声がするということは、つまり・・・ね。

 

 

 

観終えた感想

まずは何より、「観て良かった!」の一言に尽きます。

正直、観る直前までめちゃくちゃ緊張してて・・・「ラスエボがマジで心にぶっ刺さったから続編は大丈夫かな・・・」「02最終回に繋がるのかな・・・」と期待と不安で逃げ出したくなるほどでした。でも、ここまで読んでくださった方ならわかる通り、02ビギニングめっちゃ好きです!好きじゃなかったらこんな長文の記事書いてない!

ラスエボが『変わっていく関係』を描いた作品ならば、02ビギニングは『変わらない関係』を描いた作品でした。ラスエボはテーマ的にも太一たちと自分を重ねて観ていたので、パートナーとの別れに大号泣し、大人への道を胸を張って歩みだす姿に背中を押されて劇場を後にしたことを覚えています。02ビギニングはルイを中心に話が進むので自分は彼らを見守る立場で応援し、大輔たちとデジモンの変わらない絆を見て安心し、最後はとても前向きで爽やかな気持ちになって劇場を後にしたのでした。

全体を通しての感想は、ルイとウッコモンの関係に感情移入しすぎて心がものすごく揺さぶられました・・・。二人がパートナーになったのはルイが4歳の時でしたが、自分が4歳の時の記憶なんてほとんどないので、それだけ幼く早すぎる出会いだったんだな・・・と。ルイの願いは子どもらしい純粋なもので何も間違っていないのに、お互いが幼なかったが故に言葉を額面通り受け取ってしまい、正しいコミュニケーションが取れないまま気づけば手遅れなほどすれ違ってしまって・・・とても悲しい二人でした。歴代映画のウォレスとチョコモン、芽心とメイクーモン、メノアとモルフォモンもそうなのですが、もし彼ら彼女らのそばに同じ選ばれし子どもがいたら、一人で抱え込んで孤独を深めることもなかっただろうに・・・と思わずにいられません。

それと、ウッコモンが消えてから再び現れるまで10年ほど経っていますが、その間ウッコモンはずっと「どうしたらルイが喜んでくれるか」を考えて、世界中の人に一斉にパートナーデジモンを作るための力を蓄えていたのかな、と思うと・・・ほんと・・・幸せになってくれぇ・・・涙

でも、ルイは今回の一件で大輔たちと知り合うことが出来て、再びウッコモンにも出会えたはずだから・・・・・・きっともう、大丈夫だね。

 

02最終回に繋がるのか?

『2028年にはすべての人々にパートナーデジモンがいる』として締めくくられたTVアニメの最終回。02ビギニングの時点でパートナーデジモンがいる人は世界で6万人おり、毎年倍々に増えているらしいですが、そのスピードではもちろん間に合いません。しかし今回のウッコモンの事件で途中までデジタマは転送されていたので、世界中の人にデジモンとの縁が出来たといえるかもしれません。そしてラスエボ時点で光子郎の開発したスマホデジヴァイスでデジタルゲートを開けることが出来るようになっている上に、本作のラストでデジモンとのパートナーシップにデジヴァイスは不要となったので、”選ばれし子ども”という括りに関係なく大人でもデジモンとパートナーになれる道筋が出来たのかな・・・と思います(02の及川とピピモンにはデジヴァイスなかったし・・・)。正直今回の映画で改めて「デジヴァイスって何だったんだろう・・・」と考えたのですが、デジモン作品はストーリーやキャラクターが好きで見ている人間なので、細かい設定とかは分からず自分にとって望ましい解釈をしています。公開3週目の入場者特典のオーディオドラマが『ボクたちの、未来へ!』というタイトルのルイ視点の本編後日談らしいので、それを聴いたらなにか分かるのかもしれません。

 

一方、ラスエボでパートナー解消となった太一たちがどうやってアグモンたちと出会うのかは02ビギニングを観ただけではわかりませんでした。上記の解釈だとウッコモンによって太一やヤマト達にも再びデジモンとの縁が出来ているはずなので、いつか会えるんだろうな・・・。と思いつつも、私個人としては太一たちは自分の力で再びアグモンたちと出会うと信じているので、この先はラスエボの時と変わらず観た人の想像に委ねられたのかなと思います。

 

ラジオで田口監督が「02最終回のラストシーンは呪いのようなもの」と仰っていましたが、TVシリーズの02として迎えた最終回をどうするか、何を守り、何を壊すかetc、決定している終着点に向かって作品を作ることは本当に大変だったと思います(製作中にシナリオ丸々ひとつボツにしたそうで・・・)。平田さんのナレーションでも「重い足枷は外れ、新たな可能性の扉が開いた(うろ覚え)」と言っていて、デジモンアドベンチャーはあの最終回を超えて新たなステージに立つんだ!という決意表明のようなものを勝手に感じました。あの未来に繋がる希望を感じさせてくれただけでなく、この先の冒険への期待を感じさせてくれた02ビギニングに感謝です!

 

以下は記事に盛り込めなかった個人的に盛り上がったシーンや気になる事

◆ウッコモンが自分を『大いなるものと繋がっている』と言っていたことを聞いたヒカリが「ホメオスタシス…?」って反応してるの怖すぎた・・・結局何だったんだろうね・・・

◆OPで京と一緒にいたのは、香港で出会ったミーナとメラモンかな・・・ほかにもホイ三兄弟とシャコモン、カトリーヌとフローラモン、そしてウォレスとグミモン・チョコモン、世界中の選ばれし子どもたちがいてうれしい!

◆進化バンク全部良かったな~!ラスエボと同じく当時の雰囲気を大切にしてくれているのが伝わって好き!インペリアルドラモン進化でメガデスにぶっ壊される謎のお城が個人的にツボなんですが、今作でもしっかりぶっ壊されてて大喜びしちゃった!それとジョグレス進化の時にアップになるテイルモンがめちゃんこ美人!

◆エンドクレジット後のルイのシーン、デジタマが揺れるときにこれまでお約束だったデジヴァイスの「ピロピロピロピロ」という音がなくなっていて鳥肌だった・・・

 

というわけで今回も長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった選ばれし子どもたちがいたら感謝です。ありがとうございました!