都内暮らしの備忘録

都内の美味しかったものとかイベントとか

【映画】『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』感想(ネタバレあり)

デジモンアドベンチャー02 THE BIGINNING』公開おめでとうございます!

 

本ブログは2020年の『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』のネタバレ感想記事以降更新をしていませんでしたが、なんと3年経った今・・・続編映画が公開されます!やったー!

10/5に行われた完成披露上映会に参加することが出来たので、再び映画の感想を語りたい~!という想いで久々に記事を書くことにしました。『LAST EVOLUTION 絆』が公開された頃は新型コロナウイルスへの不安が急速に広がっていたタイミングで、劇場で観れなかった人も多くいたのではないかと思います。なので今作は少しでも多くのデジモンファンに映画館で観てもらえたらうれしいです!

(そんなラスエボの感想記事はこちらです↓)

tonai-gourmet.hatenablog.com

 

【目次】

 

本作について

デジモンアドベンチャー02 THE BIGINNING(以下:02ビギニング)』は、2020年に公開された『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(以下:ラスエボ)』の続編として製作された映画で、TVアニメ『デジモンアドベンチャー02』の登場人物である本宮大輔やブイモンといった所謂02組が主人公の作品です。ラスエボでの出来事から2年ちょっと経った2012年冬の事件が描かれています。

02組がメインの映画は2001年公開の『ディアボロモンの逆襲』以来、実に22年振り!!ファンが持ち焦がれた待望の作品です・・・!また、《ラスエボで描かれたパートナー解消はどうなるのか》、《02最終回の未来に繋がるのかどうか》といったところも注目されています。

 

上映会の様子

私は10/5に行われた完成披露上映会のうち、本編上映後に出演者と監督が登壇する舞台挨拶の回に参加しました。

舞台挨拶の詳細は各種ネットメディアで記事になっていたりフルサイズで映像を公開しているところもあるので割愛しますが、終始02組らしい賑やかで仲のいい様子が伝わってきて、見ているこちらまで笑顔になる素敵な時間を過ごしました。

そして今回新たに加わった大和田ルイ役の緒方恵美さん、ウッコモン役の釘宮理恵さんは「劇場に集まったデジモンファンにこの作品やキャラクターが受け入れられるか不安だった」とお話されていて、会場から沸き起こった拍手に少し安心したようでした。特にルイは劇中で辛い描写が多い役のため、緒方さんは収録の際「デジモンのアニメとしてどこまでリアルに表現するか」で悩まれたそうです。最終的に監督の判断で辛い描写をアニメでも芝居でもしっかりと表現しきることになり、「覚悟を持って演じた」という話が印象的でした。

以下からはストーリに沿って感想(という名のオタクの心の叫び)を記載していきますので、ネタバレにご注意ください!

 

ストーリーとネタバレ感想

冒頭はラスエボと同じくタケルの綴る小説の一文からスタート。デジモン映画お馴染みの『ボレロ』が流れる中、突如として東京タワー上空に巨大なデジタマが出現します(歴代映画のオマージュでうれしい!)。そして世界中のデジタル機器に表示されるみんなにともだちを、世界中すべてのひとにデジモンというメッセージ。

『ターゲット~赤い衝撃~』のOPに合わせて、TVシリーズの頃には小学生だった子どもたちが、成長し日々を過ごしている様子がダイジェストで流れます。02組はラスエボでも登場していたのでそこまで大きな時間の経過は感じませんでしたが、

本宮大輔:専門学校生。ラーメン屋出店に向けて修行の日々

一条寺賢:大学2年生。警察官の試験に向けて勉強中

井ノ上京:インドに留学中。光子郎に代わりデジモンのコミュニティを運営

火田伊織:高校3年生。弁護士を目指してアルバイトも

高石タケル:大学2年生。本格的な執筆活動を始めている

八神ヒカリ:短期大学生。夢に向かって保育所でアルバイトを始める

と、夢や目標に向かって着実に歩んでいる子どもたちの《今》が描かれています。そんな子どもたちの傍らにはパートナーデジモンの姿も。ラスエボの太一やヤマトとは違い、子どもの頃と変わらぬ関係でいることが伺えます。

 

デジタマ騒動を受け、大輔が間借りしているラーメン屋に集合する02組のメンバー。ここの俯瞰のシーンが好きすぎる・・・!!大輔はラーメンを茹でていて、ブイモンはトッピングのこととかブツブツ呟いていて、他のメンバーはデジタマ事件のことを喋っている・・・このわちゃわちゃした感じが観たかったんだ・・・!

なんてオタクがニコニコしている間に事態は急展開。中継カメラが捉えたのはデジヴァイスを手に東京タワーのアンテナをよじ登っていた青年が転落する姿・・・!すんでのところでスティングモンが救出しましたが、話を聞こうとする大輔やデジモンたちを快く思っていない様子。青年は「僕のパートナーデジモンは僕が殺した」、「僕は世界で初めての選ばれし子どもだ」と告げます。そして「人間とデジモンは出会うべきではない。お互いを不幸にするだけだ」と強い口調で言い切るのです・・・。

 

一旦その場を離れてさらに話を聞く一同。青年”ルイ”が上空のデジタマと関係がありデジタマの元に向かおうとしていたことが分かると、大輔は録に話を聞かないままルイをデジタマの元に送り届けようとします。パイルドラモンにジョグレス進化したブイモンとワームモン、大輔、賢、ルイは東京タワー上空にたどり着いたものの、ルイのデジヴァイスは反応せず何をしたら良いかわかりません。(ここで大輔の「インペリアルドラモンになり損かぁ~!?」って情けない叫びが好き)

すると強風に煽られたルイがパイルドラモンから落ち、助けようとした大輔たちもデジタマの中に吸い込まれるように落下してしまいます・・・!落ちたルイと大輔たちが目を覚ました場所は、なんと1996年の光が丘。そこで大輔たちは幼いルイの目の前にデジタマが現れる瞬間を目撃することになります。

ルイの家庭環境、心身ともに追い詰められていた様子の母親、雪の降るベランダ・・・ここだけで本作が描く願いの残酷さや重さが伝わってきて、すでに苦しい・・・。

その後現在に戻った大輔たちですが、東京タワー周辺での大立ち回りのおかげで騒ぎになってしまったため場所を移すことに。移動先は伊織の高校のパソコン室。あの頃とは別の場所だけど、02組にとってパソコン室はホームのようなところなのでうれしい!

 

子どもたちとパートナーデジモンとの絆に懐疑的なルイ。過去にあった出来事をゆっくりと話し始めます――

ルイのパートナーデジモンだった”ウッコモン”との出会いは、ルイの4歳の誕生日(2/29のうるう年生まれ)でした。ルイの目の前に現れたウッコモンは、「なんでも願いを叶える」と言います。そこでルイは「僕に優しくて、いつも守ってくれる友達が欲しい。そしていつか世界中の人と友達になりたい」と願います。それ以降ルイとウッコモンはいつも一緒。父は突然元気になり、母も急に優しくなり、学校でたくさんの友達もできて、ルイの望んだ通りの暮らしを送ります。

ルイの8歳の誕生日(2000年)には、両親だけでなく友達もお祝いに来てくれますが、ウッコモンはさらに「次の誕生日にはルイと同じ友達をたくさん連れてくる」と約束します(ずっときな臭さがヤバい)。

ウッコモンはルイの幸せを喜ばしく思いあれこれと世話を焼き、幼いルイもそれをなんの疑いもなく享受していました。しかしそんな二人の関係は、お台場にディアボロモンが現れたあの日、突然終わりを迎えます。

この先は言葉にするのも辛い・・・。苦しくて、おぞましさすら感じて、ルイとウッコモンどちらの立場に立っても悲しくて・・・。激昂し感情のままウッコモンを責めるルイと、なぜルイが怒っているのかわからず全く調子の変わらないウッコモンとの対比で心がぐちゃぐちゃになりました。そしてルイがウッコモンを否定する言葉を放った瞬間、ウッコモンはドロドロに溶けていなくなり、残ったのは欠けたデジヴァイスとルイの右目となったウッコモンの目玉だけでした―…

 

ルイの話を聞いた一同は、ウッコモンがルイの願いを叶えるために『選ばれし子どもとそのパートナーデジモン』という関係を作り出したのかもしれないという可能性に狼狽えます。でも自分たちのパートナーシップが誰かに作られたものだとは思えず、子どもたちの議論が紛糾しかけた時、一番大切なことに気づかせてくれたのはデジモンたちでした。パートナーとの関係は作りものじゃない、一緒に築いてきたものなんだ――と。そこで時刻は午前0時を過ぎ、2/29、ルイの誕生日に―…

すると突然東京タワー上空のデジタマが孵り、生まれた本体から伸びる無数の触手の先にデジタマのデータが転送され始めます。そして再び現れるみんなにともだちを、世界中すべてのひとにデジモンというメッセージ(この時のウッコモンの姿は”クリオネの捕食シーン”といえば伝わるでしょうか・・・)。

ウッコモンがルイの誕生日を祝うために、強制的に世界中の人々にパートナーデジモンを作ろうとしていることが判明し、大輔たちはウッコモンを倒すかどうかの選択を迫られることなります。

 

このままウッコモンを放置すれば70億人に突然パートナーデジモンが与えられ世界は大混乱に陥ります。そして何より、人間もデジモンも望まないパートナーシップが結ばれてしまう・・・。しかし、タケルはウッコモンを止めることはパートナーデジモンとの別れに繋がってしまうのではないかと不安を口にします。これは自分たちだけの問題ではなく、世界に6万人いる他の選ばれし子どもたちの絆を奪うことになるかもしれない・・・。世界の危機とパートナーとの絆、どちらを取るか踏ん切りがつかないチームの中で、大輔とブイモンだけはパートナーとの絆は何があっても変わらないとまっすぐに信じていました。毎日一緒にラーメンの研究をしてきて、明日何をするか言わずともわかる関係。そうなるまでにお互いがいっぱい会話をしてきたことが伝わってきます。そして大輔はルイに「ウッコモンとちゃんと話をして来い」と手を差し伸べるのです。ルイこそがウッコモンを止められる唯一のパートナーだと確信し、チームがひとつとなり前を向きます。

この屋上のシーンでは、タケルが一番パートナーを失う可能性を危惧していたのが印象的でした。デビモンとの戦いでパタモンを失ったこと、ウイルスに侵されリブートで記憶をなくしたパタモンと出会ったこと、彼のこれまでの冒険の経験がそうさせているのかなと思うと胸が締め付けられます。賢ちゃんのルイへの励まし方もすごく良かった。過去の自分の過ちと重ねて、ルイとウッコモンに”互いと向き合う大切さ”を伝える姿は賢ちゃんの持つ優しさそのもの。他にも最後まで諦めずに思考する京など、子どもたちそれぞれの経験と考えが際立つやり取りの連続で、劇中でも特に好きなシーンの一つです。

 

いざ、ルイをウッコモンの元に届けるために進化だ!!インペリアルドラモンは大輔と賢とルイを乗せて東京のビル群を掻い潜るように東京タワーを目指します。こいつ、めっちゃ動くぞ・・・!!バトルシーンにお金をかけたと聞いてはいましたが、スクリーンいっぱいに動き回るデジモンたちの姿に感動・・・!何よりインペリアルドラモン:ドラゴンモードがヌルヌル動く姿を初めて観れて最高でした(推し)。ウッコモンも大輔たちを近づけまいと攻撃を仕掛けてきますが、シャッコウモンとシルフィーモンのアシストもあり遂にルイを送り届けます。

ウッコモンの中へと落ちていったルイは再びあの日の光が丘へ。母親と向き合い、再会したウッコモンと向き合い、そしてルイが願ったことは―――。

 

こうしてルイとウッコモンの新たな未来へと続く冒険のページがめくられたのでした。

 

----------

全てが終わり、雪が降る中、子どもたちとデジモンは雪合戦を始めます。そこには晴れやかな顔をしたルイも混じっていて、とても優しく、穏やかで、愛しい光景が広がっていました。このシーン良すぎて気づいたら涙が・・・。

ここで聞こえてくるナレーションの声が・・・平田さん!?02最終回と同じ演出がきて鳥肌!大人になったタケルの声がするということは、つまり・・・ね。

 

 

 

観終えた感想

まずは何より、「観て良かった!」の一言に尽きます。

正直、観る直前までめちゃくちゃ緊張してて・・・「ラスエボがマジで心にぶっ刺さったから続編は大丈夫かな・・・」「02最終回に繋がるのかな・・・」と期待と不安で逃げ出したくなるほどでした。でも、ここまで読んでくださった方ならわかる通り、02ビギニングめっちゃ好きです!好きじゃなかったらこんな長文の記事書いてない!

ラスエボが『変わっていく関係』を描いた作品ならば、02ビギニングは『変わらない関係』を描いた作品でした。ラスエボはテーマ的にも太一たちと自分を重ねて観ていたので、パートナーとの別れに大号泣し、大人への道を胸を張って歩みだす姿に背中を押されて劇場を後にしたことを覚えています。02ビギニングはルイを中心に話が進むので自分は彼らを見守る立場で応援し、大輔たちとデジモンの変わらない絆を見て安心し、最後はとても前向きで爽やかな気持ちになって劇場を後にしたのでした。

全体を通しての感想は、ルイとウッコモンの関係に感情移入しすぎて心がものすごく揺さぶられました・・・。二人がパートナーになったのはルイが4歳の時でしたが、自分が4歳の時の記憶なんてほとんどないので、それだけ幼く早すぎる出会いだったんだな・・・と。ルイの願いは子どもらしい純粋なもので何も間違っていないのに、お互いが幼なかったが故に言葉を額面通り受け取ってしまい、正しいコミュニケーションが取れないまま気づけば手遅れなほどすれ違ってしまって・・・とても悲しい二人でした。歴代映画のウォレスとチョコモン、芽心とメイクーモン、メノアとモルフォモンもそうなのですが、もし彼ら彼女らのそばに同じ選ばれし子どもがいたら、一人で抱え込んで孤独を深めることもなかっただろうに・・・と思わずにいられません。

それと、ウッコモンが消えてから再び現れるまで10年ほど経っていますが、その間ウッコモンはずっと「どうしたらルイが喜んでくれるか」を考えて、世界中の人に一斉にパートナーデジモンを作るための力を蓄えていたのかな、と思うと・・・ほんと・・・幸せになってくれぇ・・・涙

でも、ルイは今回の一件で大輔たちと知り合うことが出来て、再びウッコモンにも出会えたはずだから・・・・・・きっともう、大丈夫だね。

 

02最終回に繋がるのか?

『2028年にはすべての人々にパートナーデジモンがいる』として締めくくられたTVアニメの最終回。02ビギニングの時点でパートナーデジモンがいる人は世界で6万人おり、毎年倍々に増えているらしいですが、そのスピードではもちろん間に合いません。しかし今回のウッコモンの事件で途中までデジタマは転送されていたので、世界中の人にデジモンとの縁が出来たといえるかもしれません。そしてラスエボ時点で光子郎の開発したスマホデジヴァイスでデジタルゲートを開けることが出来るようになっている上に、本作のラストでデジモンとのパートナーシップにデジヴァイスは不要となったので、”選ばれし子ども”という括りに関係なく大人でもデジモンとパートナーになれる道筋が出来たのかな・・・と思います(02の及川とピピモンにはデジヴァイスなかったし・・・)。正直今回の映画で改めて「デジヴァイスって何だったんだろう・・・」と考えたのですが、デジモン作品はストーリーやキャラクターが好きで見ている人間なので、細かい設定とかは分からず自分にとって望ましい解釈をしています。公開3週目の入場者特典のオーディオドラマが『ボクたちの、未来へ!』というタイトルのルイ視点の本編後日談らしいので、それを聴いたらなにか分かるのかもしれません。

 

一方、ラスエボでパートナー解消となった太一たちがどうやってアグモンたちと出会うのかは02ビギニングを観ただけではわかりませんでした。上記の解釈だとウッコモンによって太一やヤマト達にも再びデジモンとの縁が出来ているはずなので、いつか会えるんだろうな・・・。と思いつつも、私個人としては太一たちは自分の力で再びアグモンたちと出会うと信じているので、この先はラスエボの時と変わらず観た人の想像に委ねられたのかなと思います。

 

ラジオで田口監督が「02最終回のラストシーンは呪いのようなもの」と仰っていましたが、TVシリーズの02として迎えた最終回をどうするか、何を守り、何を壊すかetc、決定している終着点に向かって作品を作ることは本当に大変だったと思います(製作中にシナリオ丸々ひとつボツにしたそうで・・・)。平田さんのナレーションでも「重い足枷は外れ、新たな可能性の扉が開いた(うろ覚え)」と言っていて、デジモンアドベンチャーはあの最終回を超えて新たなステージに立つんだ!という決意表明のようなものを勝手に感じました。あの未来に繋がる希望を感じさせてくれただけでなく、この先の冒険への期待を感じさせてくれた02ビギニングに感謝です!

 

以下は記事に盛り込めなかった個人的に盛り上がったシーンや気になる事

◆ウッコモンが自分を『大いなるものと繋がっている』と言っていたことを聞いたヒカリが「ホメオスタシス…?」って反応してるの怖すぎた・・・結局何だったんだろうね・・・

◆OPで京と一緒にいたのは、香港で出会ったミーナとメラモンかな・・・ほかにもホイ三兄弟とシャコモン、カトリーヌとフローラモン、そしてウォレスとグミモン・チョコモン、世界中の選ばれし子どもたちがいてうれしい!

◆進化バンク全部良かったな~!ラスエボと同じく当時の雰囲気を大切にしてくれているのが伝わって好き!インペリアルドラモン進化でメガデスにぶっ壊される謎のお城が個人的にツボなんですが、今作でもしっかりぶっ壊されてて大喜びしちゃった!それとジョグレス進化の時にアップになるテイルモンがめちゃんこ美人!

◆エンドクレジット後のルイのシーン、デジタマが揺れるときにこれまでお約束だったデジヴァイスの「ピロピロピロピロ」という音がなくなっていて鳥肌だった・・・

 

というわけで今回も長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった選ばれし子どもたちがいたら感謝です。ありがとうございました!

【映画】『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』感想(ネタバレあり)

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』公開おめでとうございます!

私は2/4に行われた完成披露上映会に参加し、大興奮の時間を過ごさせていただきました。デジモンを観て育った当時の子どもたちに刺さりまくる素晴らしい作品だったので、ぜひ劇場でご覧になってください!

本ブログは映画の感動を忘れたくなくて興奮のままにダダダーッと文字にしているためネタバレ満載です。楽しみにしている方の閲覧はご注意ください。初見の驚きや興奮は一生に一度のものなので・・・。もう観たよ!という方は一緒に語りませんか?(切実)

 

【目次のようなもの】

  

私とデジモン

私は『デジモンアドベンチャー(劇場版2作・TVシリーズ)』『デジモンアドベンチャー02(劇場版・TVシリーズ)』『デジモンテイマーズ』及び『デジモンアドベンチャーtri.1~5章』をリアルタイムで視聴していた世代で、大人になってからも無印を中心に何度も見返しては勇気をもらっているデジモン大好きっ子です。学校の休み時間にデジヴァイスで通信対戦をして遊んでいたら、先生に見つかり叱られた&デジヴァイスを没収された、なんてこともあったな・・・(よいこは絶対に真似しちゃダメ)

 

上映会の様子

f:id:tonai-gourmet:20200218144146j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200218150745j:plain上映前の劇場内ではずっと『Butter-Fly』が流れていて、その時点で涙目に・・・。客層も私ぐらいのデジモン世代を中心に、若い人もお年を召した人も男女問わずたくさんいらっしゃって、「やっぱりデジモンは老若男女に愛されているんだなぁ・・・」と胸がいっぱいになりました。

上映前には舞台挨拶があり、田口智久監督、太一役・花江夏樹さん、アグモン役・坂本千夏さん、映画オリジナルキャラのメノア役・松岡茉優さんが登壇されました。その時の様子は各種ネットニュースや映像ニュースになっているので詳細は割愛しますが、田口監督も花江さんも松岡さんもデジモンをリアルタイムに観ていた世代で、“当時の子どもたちが大人になり、今こうして新たなデジモンの物語を作っている”というお話がとても印象的でした。「監督のデジモン愛が伝わってくる」という花江さんを筆頭に、松岡さんは「映画の冒頭からそうくるか~って!ファンはタコ殴りにされます!」とか、坂本さんも「あんなに泣かされると思わなかった。最後すっごく泣いちゃうから!」とか、とにかく早くファンのみんなに観て欲しい!という興奮が伝わってくる熱い舞台挨拶でした。私は坂本さんがお話をされる度に「アグモンだ・・・アグモンがいる・・・」という感動が止まらず、ずっと坂本さんの方にくぎ付けになっていたと思います。そして満を持して上映です・・・!!

 

以下はストーリーに沿って感想(というかほぼオタクの心の声)を記載していますので、繰り返しになりますが閲覧ご注意ください!

 

ストーリーとネタバレ感想 

本作『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(通称ラスエボ)』はデジモンアドベンチャー20周年記念作品として製作されたもので、太一たちがデジタルワールドを冒険したあの夏から10年ほど経った2010年を舞台に描かれています。

冒頭から流れるのは名曲『ボレロ』。キタキタキターッ!デジモン劇場版といえばボレロですよね! そしてデジタルノイズによる電波障害の中から現れたのは・・・パロットモン!?君はパロットモンじゃないか!駆け付けたエンジェモンとエンジェウーモンが応戦する中、アグモンも『brave heart』をBGMにグレイモンに進化。パロットモンvsグレイモンは熱い・・・!最後はヤマトとガルルモンも合流してなんとかパロットモンをデジタルワールドに送り返します。しかし、労をねぎらう間もなく太一とヤマトはそれぞれの大学へ。残されたアグモンとガブモンが少し寂しそう・・・。

このわずかな時間で『劇場版デジモンアドベンチャー』を彷彿とさせるファンにはたまらない演出の数々。まさに“タコ殴り”状態。心臓がもたない。

 

序盤に上がったテンションを落ち着かせるように描かれるのは、選ばれし子どもたちの“今”の日常。太一は友人と就活や卒論の話をしたり、パチンコ屋でアルバイトをして独り暮らしの部屋に帰る日々。ヤマトも大学で友人と進路の話をしたり、楽器屋でハーモニカを吹く子どもを少し眩しそうな目で見つつ去っていく・・・。これらのシーンに散りばめられた子どもの頃との違いを簡単にまとめると、

 

■環境の変化

  • 選ばれし子どもたちとデジモンの存在はもはや世間の公認となり、その数も増えている(全世界に3万人!)
  • 通信手段の発達によりどこにいても仲間と連絡をとれるし、デジタルゲートを使った移動までできるようになった(島根にパソコンがないなんてもう言わせない)

■心境の変化

  • 太一とヤマトは大学四年、自分の進路に悩む大人への過渡期に
  • 他の仲間もそれぞれの道を歩み始め、このままでいいのかという思いが常に付きまとう

 

短いカットの連続の中で“あの頃とはもう違う”ということをこれでもかと見せつけられます。私は特に太一とヤマトがホルモンをつつきながらビールを飲んで昔を振り返るシーンに時間の流れを感じました・・・わかっちゃいたけど2人とも成人したんだよなぁ・・・(しみじみ)。

とはいえ、ここで描かれているのは等身大の大学生らしい暮らしと悩みで、多くの人が共感できるものだと思います。私はあの時期をどう過ごして乗り越えたんだっけ?と振り返りたくなる気持ちなったところで、事態は大きく変化します。

 

光子郎のオフィスを訪れたデジモン研究家のメノアと助手の井村。「未知のデジモン“エオスモン”によって選ばれし子どもたちの意識が奪われる事件が起きている」ことを知る太一たち。早速エオスモンを叩くために電脳空間に潜ります。エオスモンのデジタマや電脳空間、トンネルの描写、モニターに映るメノアなど『僕らのウォーゲーム』の演出をオマージュしててうれしい!あの時と違うのは最初からパートナーと一緒に出撃できていること。凄い時代になったもんだ・・・。

出し惜しみなしでオメガモンとなってエオスモンを追い詰めたところで、突如としてオメガモンの進化が解けてエオスモンは逃げてしまいます。帰還した太一たちにメノアが告げたのは、「選ばれし子どもたちの成長と可能性のパワーが失われると、デジモンとのパートナー関係は解消される」という衝撃の事実。今後無理な進化や戦闘をするとパートナーデジモンとの別れが早まると言われ、受け入れられない様子の太一とヤマト。

えっ・・・子どもじゃなくなるとデジモンとは一緒にいられなくなるの・・・?でも『デジモンアドベンチャー02』の最終回で、大人になってもデジモンと一緒に活躍してるっていってたよね・・・?という私の動揺をよそに、ミミや丈といった仲間たちの意識が次々とエオスモンに奪われていきます。つ、つらい・・・。(本作と02最終回との繋がりについてはブログの最後で)

 

太一、ヤマト、光子郎がそれぞれ真相を追い求めるうちに、黒幕はメノアだったと判明します。その光子郎もエオスモンに意識を奪われ、テントモンと共に行方不明に。しかし光子郎の残したメッセージのおかげでエオスモンのいる座標が判明し、太一とヤマトはパートナーデジモンとの別れを覚悟しつつ最後の戦いに挑みます。

このシーンで確か太一が「誰かがやらなくちゃいけないんだ」というようなことを言うのですが、このセリフが実に太一らしくて・・・いつも選ばれし子どもたちを引っ張っていたのは太一の勇気と責任感だったよな・・・と改めて感じて、ちょっと涙。

 

メノアとエオスモンがいる座標にいたのは、意識を奪われた世界中の選ばれし子どもたちとそのパートナーデジモン。メノアはここを彼らにとっての「理想郷=ネバーランド」と呼び、子どもの頃の記憶のままに楽しそうにパートナーデジモンと遊ぶヒカリやタケルを見た太一たちは戦意を喪失しかけます。わかるよ・・・普通の子どもでも大人になりたくないと思うことがあるのに、パートナーデジモンと別れないといけないという辛い宿命を突きつけられたら、ずっと子どものままでいたいと思ってしまうと思う・・・。メノアの言葉を否定できずに打ちひしがれる太一とヤマトの姿に胸が張り裂けそうになります。

でも、そんな私と太一たちを現実に引き戻してくれたのがアグモンとガブモンでした。大人になっていく太一たちに対して、あの頃と変わらないアグモンたちだからこそ、まっすぐな気持ちでパートナーを信じて戦える。「メノアを止めてみんなを助けよう」とパートナーを鼓舞するアグモンとガブモンの姿に、彼らの積み重ねてきた時間と絆の強さを感じてまた涙が・・・。

 

しかし試練はまだ続きます。覚悟を決めて必死に戦う太一とヤマトの前に立ちふさがったのは選ばれし子どもたち。ネバーランドを壊そうとする太一たちを責めるかのように、光子郎が、ヒカリが、タケルが・・・パタモンやテントモンが・・・太一たちを攻撃し、のしかかってきます。もう辛すぎて直視できない・・・。

それでもあきらめずに「前に進んでいくんだ」「未来に向かって進むんだ」と手を伸ばした太一が掴んだのが、ヒカリの首に下げられたホイッスルで・・・。ここでまさかの『劇場版デジモンアドベンチャー』のあのシーンが挿入され、劇場内の至る所で息を飲む音が聞こえました。時が止まったかのような静寂のあと、みんなが意識を取り戻しエオスモンに立ち向かっていきます。

1999年の光が丘で太一とデジモンを目撃したあの子どもたちが、あの時と同じホイッスルの音で正気を取り戻すというストーリーの繋がりに鳥肌。号泣。拍手喝采

 

『これが俺たちの、最後の進化だ!』

 

も~~~~~~かっこいいよ!!!!エオスモンの究極体(と思われる姿) は女神のごとき神々しさで、これまでのデジモンの中でもトップクラスに美しい造形だと思いましたが、それ以上にアグモンとガブモンの新しい進化が圧倒的にかっこよかった!!!(名前がわからないのでパンフレットに載っていますように)

メノアもモルフォモンの最後の言葉をきちんと受け取れてよかったです。手段は間違っていたかもしれないけれど、パートナーを失う悲しみを誰にも味わせたくなかったという想いは共感できます。いつか戻ってきたら、これまでとは違ったアプローチでデジモンと人間の共生の道を探ってほしいな・・・。

 

こうして平穏が訪れた夏の日の終わり。

太一とアグモン、ヤマトとガブモンの穏やかな時間。

差し迫る別れと向き合った上でのいつもと変わらないやりとり。

そして・・・

(この辺りは顔面がぐしゃぐしゃになるくらい泣いていたのであまり文字にできない・・・)

 

 

 『物語は新たな領域に進化する』

 

f:id:tonai-gourmet:20200221150255j:plain


 

-----

太一たちから受け取ったバトン

濃密な1時間半。「大人になるってなんだろう」「何が変わるんだろう」といった様々な問いを投げかけられる作品でした。メノアが劇中で語った通り、子どもの頃に持っていた全能感や無限の可能性といったパワーは、大人になっていく過程で諦めることを覚えたり、不要なものとして削ぎ落していったりするうちに小さくなっていくかもしれません。でも、この映画は「大人になることは、なにか大切なものを失うかもしれないけれど、決して悪い事じゃないんだ」ということを教えてくれます。太一とヤマトは別れを乗り越え、新たな目標を胸に一歩を踏み出します。そこにはまた新しい無限の可能性が広がっていました。子どもの頃の私に勇気や友情の大切さを教えてくれた彼らが、20年経って大人になった私の背中をまた優しく押してくれて、私は胸を張って清々しい気持ちで劇場を後にしたのです。彼らの冒険の終わりと新たな旅立ちを劇場で見届けることが出来て本当に幸せでした。

 

(以下は記事の中に盛り込めなかった雑感)

  • 光子郎!ウーロン茶はダメだって!・・・あれ、大丈夫だった
  • アグモンの「グ~~~~」というお腹の音にいつも救われる
  • 賢ちゃんの腕にぶら下がってるミノモンめっちゃ可愛い
  • 空が握りしめてたデジヴァイスがもう・・・たった一人でお別れをしたんだね・・・

特に空は現在YouTubeで公開中のメモリアルエピソード『空へ』の中で「戦いには参加しない」と決めていたため本編の登場も極めて少なかったですが、「自分の進む道を決めた=大人になった」ということでピヨモンとの別れが来たことが容易に想像できます。一人で抱えるのはつらかっただろうね・・・。

 

大団円ながらも少し気になる終わり方をした本編でしたが、4月からは新アニメ『デジモンアドベンチャー:』が始まりますし、これからもデジモンが盛り上がっていくと思うととてもうれしいです!ひとまず私は明日も舞台挨拶つき上映会に参加してくるので、思い切り“デジモン泣き”してきます!パンフレットも買うぞ!

 

2回目を観終えての新たな気づき (2/26追記)

去る2/22(土)に2回目のラスエボ鑑賞及び上映後舞台挨拶に行ってきました。

登壇されたのは選ばれし子どもたちとそのパートナーデジモン&田口監督の総勢17名!お一人ずつマイクを持ってデジモンへの想いを語ってくださったのですが、アグモン役の坂本さんが早々に泣いているのが分かってもらい泣き・・・。デジモンを愛するキャストの皆さんと観客の愛に包まれた素晴らしい時間を過ごしました。そして、今作が20年間続いてきた『デジモンアドベンチャー』の最後なんだと実感してしまいまた涙が・・・。

 

映画本編は2回目とか関係なくボロ泣きだったのですが、ストーリーを分かった上で細かい部分を改めて反芻してみると、(リンクのツイートのツリーでも書いたのですが)メノアの「デジモンの進化は子どもたちの成長がトリガーになっている」や、ゲンナイさんの「無限の可能性があれば或いは・・・」といったセリフの通り、最後のアグモンとガブモンの絆の姿は、太一たちが前に進んでいくと決めた=大人への新たな可能性を切り開いたパワーによって“まだ見ぬ進化”を遂げたのだと思いました。TVシリーズの頃からデジモンの進化は子どもたちの心の成長がきっかけとなっていましたが、オメガモン以降なかった全く新しい進化が起こったのが、太一たちが子どもから大人へと変わる瞬間だったということにすごくすごく感動しました。

 

それと今作の位置づけについて、パンフレットでプロデューサーの木下陽介さんが『02の最終話で明示されている25年後をゴールとして、まだ描かれていない「太一たちの2010年」という楔を今作で打とうと考えました(原文まま)』と明言していましたね!これまで02のラストに至る25年の歳月を彼らがどう過ごしたのかは視聴者の想像に委ねられていましたが、今作によって太一たちは一度パートナーとの別れを経験し、そこから諦めずに進んだからこそあの02の最終回の未来があった、ということが公式に示されました。そういう想いで観るとラストのシーンは違った感動があると思うので、近いうちにもう一度劇場で観ます!!!

 

その他のラスエボに関する私の感想、ネタバレ、オタクの叫びはこちらにまとめています。

twitter.com

長くなりましたが、ここまで読んでくださった選ばれし子どもたちがいたら感謝です。ありがとうございました。

『デス・ストランディング』クリア後感想

2019年11月8日に発売されたPS4用ソフト『DEATH STRANDING/デス・ストランディング(以下、デススト)』をクリアしました。結論から言うとクリアまでのプレイ時間は120時間を超え、人生初のトロコンをするほどにハマりました。本作をクリアした自分の今の気持ちを忘れたくなくて、ゲームをプレイした感想と共に文字にして残したいと思います。ストーリーのネタバレには配慮して書いたつもりですが、未クリアの方の閲覧はご注意ください。(ブログ内の写真は全てゲーム内のスクリーンショット)

f:id:tonai-gourmet:20200203144557j:plain

 

 

【目次】

 

出会い

私とデスストとの出会いは発売の数日前、チャンネル登録をしているプレステ公式にアップされたローンチトレーラーでした。

www.youtube.com

「とんでもないものを見てしまった」「すべてのシーンから“本気”が伝わってくるこの迫力は一体何なんだ」「何もわからないけどこれは間違いなく覇権を獲るタイトルだ」などなど、多くの感情が溢れてきて興奮のままに何度も何度も見返しました。そしてこのローンチトレーラー以外の前情報は一切入れずに発売日からプレイを始めたのです。そしてこの流れからもわかる通り、私は小島秀夫監督作品をプレイするのは今回が初めてです。

 

ストーリー

舞台は近未来の北米大陸。“デス・ストランディング(DS)”という未知の現象によって引き起こされた大量爆発をきっかけにアメリカ合衆国は分断、世界との繋がりも絶たれ崩壊してしまいます。残った人々は地下の居住区でDSやDSによって現れたBTとの対消滅、時雨と呼ばれる異常気象などの恐怖に怯えながら暮らすことを余儀なくされ、人類はこのまま緩やかな絶滅を迎えるのみかと思われました。しかしアメリカ最後の大統領ブリジットが作った“ブリッジズ”という組織は、再びアメリカを都市連合(UCA)として繋ぎ合わせることでこの危機を乗り越えようと動き出します。

 

本作の主人公であるサム・ポーター・ブリッジズはフリーの運び屋でしたが、義母ブリジットからの依頼でブリッジズに力を貸すことになりました。第二次遠征隊としてたった一人で北米大陸を東から西へ横断し、各地に点在するUCAの拠点を“カイラル通信”という次世代通信システムで繋いでアメリカ再建を目指します。

f:id:tonai-gourmet:20200203160327j:plain

 

北米大陸を繋いでいく中で出会うブリッジズのメンバーは、それぞれのアプローチでDSの研究をしており、サムは彼らと繋がることで少しずつこの世界の謎を知っていきます。一方で、繋がっていくことで明らかになる過去の情報により拭い難い疑心を抱くこともあり、プレイヤーは常に「ひとつに繋がることは本当に正しいのか」という問いを投げかけられます。

 

ゲームシステム

オープンワールドになっている北米大陸で、サムは運び屋として各拠点へカイラル通信を繋ぎながら、場所や人へと荷物を届けます。簡単に言ってしまえば“おつかいクエストの連続”によってストーリーが進んでいくのですが、そう単純・単調なものではありません。サムの行く手には荒廃した大地が広がり、安全な経路を選んだつもりが谷に突き当たったり、深い川に足を取られて流されたり、極寒の雪山を踏破することになったり・・・大切な荷物を完璧な状態で届けるためにはたくさんの工夫が必要になってきます。

f:id:tonai-gourmet:20200203164121j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200203164141j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200203165924j:plain


また、サムの荷物を狙って襲ってくる配達依存症の集団から逃げたり、アメリカ再建を阻もうとするテロリストと戦ったり、生きているものに反応して襲ってくるBTの群れを掻い潜ったりとアクション要素も多くあります。

f:id:tonai-gourmet:20200203170306j:plain

 

そして本作で特筆すべきなのがデスストオリジナルの「ソーシャル・ストランド・システム」です。シングルプレイのゲームでありながら“オンラインで緩く世界のプレイヤーとの繋がりを感じられる”とでも表現したらいいでしょうか。 オンライン設定をしていれば、世界中のデスストプレイヤーがマップ上に設置した梯子やロープ、橋や発電機などがネットワークで共有され、使用可能になります。そして使用した建築物には「いいね!」を送ることができるのです。

f:id:tonai-gourmet:20200203174617j:plain

私が設置した橋も世界の誰かの役に立って「いいね!」をもらった

正直最初は「SNSでいいね疲れとか言われているのに、ゲームの中でまでいいねを送りあうなんて・・・」とうんざりしかけたのですが、乏しい装備で崖に突き当たってしまい戻るか迂回するかしかない状況で、見知らぬ誰か(someone)のサムが残していったロープのおかげで無事に崖を降りることができたり、バイクのバッテリーがなくなって徒歩での配送を覚悟したところに別のサムが設置した発電機があったりと、何度も何度も助けられ、自然と相手への感謝の気持ちを込めた「いいね!」を送りたくなる仕掛けになっていました。

一人で北米大陸を横断しながらも、“世界の他のプレイヤーも今この瞬間にアメリカを繋ぎ直している”という気配や一体感を感じられる、今までにないオンラインでの協力プレイであり、それぞれのプレイヤーの行為が繋がり、“善循環”している素晴らしいシステムだと思いました。

f:id:tonai-gourmet:20200203174925j:plain

奥に見える建築物は全て世界中のサムが建てたもの

オンラインだけではなく、NPCとの繋がりも大変魅力的です。カイラル通信で繋いだ拠点のリーダーから送られてくるメールが「やたらと絵文字が多いLINEおじさん」を彷彿とさせる文面で可愛らしく、過酷な配送業務の中で一服の清涼剤の役割を果たしています。そして拠点で親密度を最大まで上げるともらえる「スターマーク」も配送のモチベーションを上げてくれます。

f:id:tonai-gourmet:20200203180150j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200203214116j:plain

 

デスストの世界

美しいオープンワールドの世界ですが、デスストにはいわゆる“フィールド曲”と呼ばれるようなゲーム音楽はありません。サムが土を踏みしめて前進していく音と、たまの口笛、それを聴いて喜ぶ旅の同伴者の笑い声。これもデスストの世界に没入するのに大きな役割を果たしていると思います。そして要所に挟まれるのはヴォーカル入りの楽曲たち。そのどれもがサムの心境に寄り添うように流れ、やさしく背中を押してくれます。

f:id:tonai-gourmet:20200203210545j:plain

 

また、ゲーム全体を通してムービーシーンが数多くあります。おそらく全部合わせたら7~8時間くらいあるのではないでしょうか。クリア後に見返すと最初の段階からとんでもないものを観ていた事実に気づいて愕然とします。ムービーシーンと会話シーンをつなげて物語を再構成したBlu-rayとか発売しないかな・・・。

 

私にとってのデススト

デスストをプレイして最初に感じたのは、主人公のサムがただの運び屋であることに大きな意味があるということでした。ゲームの大部分が物を運ぶことで成り立っており、配送を通じて世界を繋ぎ、救おうとする考え方は極めて高度で戦略的なものに思えます。

日本語で配送などと一括りにして「物流」と訳されることが多い「ロジスティクス」という言葉があります。もともとは軍隊用語で、戦争で敵国を攻めるために「拠点をどこに構えるのか」「人員をどこにどれだけ配置するのか」「弾薬などの物資をどう補給するのか」といった、後方支援ながらも勝敗を分ける重要な役割を持つのが物流の本質です。その観点で考えてみると、ブリッジズのUCA再建計画は大変理にかなっていると感じられるのです。

 

閑話休題

今世界はインターネットによってひとつに繋がっているといえます。でも争いは絶えません。国境に壁を作ろうとする国家があったり、武力で他国を牽制する国家があったり、テロ行為で孤立を深める集団もいます。

今地球は異常気象や自然災害や未知のウイルスで人々の生活を脅かしています。これを人類の絶滅へのカウントダウンと唱える人もいるでしょう。

デスストのストーリーは、北米大陸を繋ぎ直すうちに「やがて来る6度目の絶滅を生き残れるのか?」という展開になっていきます。私は作品内で語られる絶滅の定義や解釈に、一瞬現実と創作の境目がわからなくなるほどの衝撃を受けました。実際に地球の歴史上で起きた大量絶滅(恐竜絶滅などのビッグ5)の話が縦糸となり、小島監督の大胆な解釈と緻密な思想が横糸となり、そうして織られた大きな大きな布の上で、私はサムそのものになって迷い足掻きながらアメリカと人々を繋いでいたんだ・・・と。

物語の結末はそれぞれの目で見て欲しいところですが、すべてを終えて現れる『Tomorrow Is In Your Hands』のメッセージが全てなのだと思いました。「さぁ、あとはあなた次第だよ」と背中を押されると同時に、「さて、あなたならどうする?」という問いでもあり、私はまずこうしてプレイした感想を文字にして残すことに決めたのでした。私にとってのデスストは、エンディングのその先を自分の手で切り拓くための物語でした。

f:id:tonai-gourmet:20200203210926j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200203210942j:plain

(写真上)始めたばかりのサム (下)すべてを終えたサム

 

本当に最後なので私がプレイしていて泣き崩れたシーンを2つ。これ以降は激しいネタバレです。

 

  1. アメリのビーチを閉じるときに「撃てるわけないじゃないか!」「アメリのバカー!」と叫びながら駆け寄ったら、『抱きしめる』というコマンドが出たこと
  2.  ルーを焼却所に運ぶ道中でタッチパネルを操作したら、サムが「ルー」「ルー?」「すまなかった」とつぶやいたこと

 

1はもし撃ってたらどうなってたんですか?ゲームオーバー?でもあそこまでやってきて、アメリの孤独を知ったら、そんな考えが浮かぶわけなかったんだ・・・【終】

f:id:tonai-gourmet:20200203210356j:plain

【お台場】チームラボボーダレスでアートを体感

年末に地元の友達が遊びに来たので、お台場の『チームラボボーダレス』を楽しんできました!・・・と、その前に築地に寄って腹ごしらえを。

f:id:tonai-gourmet:20200110124802j:plain

約2か月振りの築地場外市場。土曜日の10時半頃に着いたのですが、歩くのが困難なほどの人・人・人!ものすごい活気でした。そして蟹の解禁後だったので至る所から焼き蟹の香ばしい匂いが・・・。空気が美味しい。幸せ。

 

まずは新鮮な魚介を立ち食いしてみたい!という友達の希望で、私はホタテ貝を、友達は牡蠣を炙ってもらって店先でいただきました。この肉厚ぷりっぷりの身がたまらんっ!

f:id:tonai-gourmet:20200110125338j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110125353j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110125406j:plain

 

これで完全に食欲に火がついてしまった私たちは、早々に食べ歩きを終了して欲望の赴くままに目に入った寿司屋の暖簾をくぐりました。

f:id:tonai-gourmet:20200110125927j:plain

『つきぢ神楽寿司』で「ふぐのから揚げ」「まぐろ三昧」「のどぐろの炙り」を注文。

f:id:tonai-gourmet:20200110130428j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110130437j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110130446j:plain

こちらのお店はシャリに特製の赤酢を使っているそうなのですが、酢の酸味が主張しすぎず魚の脂を引き立てている気がして大変美味しかったです!そして私が寿司ネタの中で一番好きなのどぐろの炙り。上品な味の白身が炙られることで香ばしさと脂を纏い、旨味倍増で口の中を幸せで満たしてくれました・・・アンタが優勝。

 

お腹が満たされたところで築地から路線バスに乗って台場へ。乗り換えなしの20分ほどで近くまで行けるので楽ちんです。『チームラボボーダレス』はヴィーナスフォートの観覧車乗り場と同じ2階にあります。

f:id:tonai-gourmet:20200110132033j:plain

事前に前売り券を購入していましたが、この日は13時の時点ではあまり混んでおらず、すんなりと入場することができました(2時間経って会場を出たときには外までズラ~っと入場待ちの列が続いていたので、タイミングに恵まれていたようです)。

 

『チームラボボーダレス』は〝境界のない1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する〟というコンセプトで作られたアート群で、館内に道順などの案内が一切ありません。真っ暗な通路を歩いていたら急に開けた場所にでたり、暗闇の中に見つけた暖簾をくぐると全く違うアートが広がっていたり、気づけば同じところをグルグル回っていたりと、手探りで展示を攻略していくような不思議な空間でした。

f:id:tonai-gourmet:20200110132759j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110132810j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110132822j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110132724j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110132858j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110132922j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110132932j:plain


美しくも不思議なアートに圧倒されながら1時間ほど歩き回ったのですが、「ところでCMとかでよく見るランプがいっぱいある部屋や光の滝のような場所はどこ・・・?」というプチ迷子に陥り、まさにチームラボの思惑通り彷徨うことに。何度も同じところを行ったり来たりと苦戦しましたが、探索の末にお目当ての場所にたどり着けたときにはちょっと感動しました。

f:id:tonai-gourmet:20200110134143j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110134153j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110134209j:plain

f:id:tonai-gourmet:20200110134222j:plain

 

様々なアートに好奇心が刺激され、光と音と映像の洪水の中を夢中になって遊んで過ごせました!楽しかった~!

 

------------------------------

『つきぢ神楽寿司』

https://tukijikagura.jp/

------------------------------

『チームラボボーダレス お台場』

https://borderless.teamlab.art/jp

【五反田】魚介づくしの『サカナバル』で晩ごはん

土曜の夜、五反田駅周辺でご飯屋さんを探しながら桜田通りを目黒川に向かって歩いていた時に見つけた『サカナバル』というお店にフラッと入ってみました。

オープンしたばかりなのか店内はとてもきれいで落ち着いた雰囲気。メニューはほぼ魚介で、クイックメニューやサラダ、揚げ物、煮物、ご飯物、〆のデザートなどなど50種類ほどありました。私たち夫婦はお酒を飲まないので、量重視であれこれ注文します!

 

まずはお店おすすめの『カルパッチョ盛り合わせ』(2人前1,360円)

f:id:tonai-gourmet:20191218130121j:plain

綺麗な盛り付けでテンションアップ!上から時計回りに鰤、サーモン、アオリイカ、まぐろ、鯛の昆布締めで、魚ごとに味付けを変えているというこだわりっぷり。定番の玉ねぎベースのソースの他に、アオリイカは人参ベースのソースで少し甘めの味に、サーモンには柑橘ベースでさっぱりと爽やかに・・・と、一皿でいろんな味を楽しめます。

 

続いてスピートメニューの『あん肝と白子』(580円)と、揚げ物から『イカ豚合挽メンチカツ』(1個280円)。

f:id:tonai-gourmet:20191221171500j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191221171650j:plain

あん肝はほとんど食べたことがなかったのですが、口に入れると磯の風味が強くてびっくり!白子はまったりとした舌触りにたんぱくな味が美味しい。メンチカツはイカっぽさはあまり感じませんでしたが、揚げたてサクサクで文句なしの美味しさでした!

 

メインの『サカナバルパエリア』(1,100円)が出てきたところでちょっと量が足りなかったので、追加で『牡蠣のシビレアヒージョ』(680円)と『バケット』(2人前200円)を注文。

f:id:tonai-gourmet:20191221172156j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191221172209j:plain

【イベント】ジャンプ好きのお祭り『ジャンプフェスタ2020』に行ってきた!

年に一度のジャンプの祭典『ジャンプフェスタ』。今年は12月21日(土)と22日(日)に幕張メッセで開催され、私は22日にドキドキの初参戦をしてきました!ジャンプを読み始めたきっかけは銀魂で、連載中のジャンフェス参戦は叶いませんでしたが、他にもたくさん好きな作品が勢揃いしていて大興奮&大満足の一日を過ごせました!そんな私の感じたジャンフェスの凄いところを4つご紹介します!f:id:tonai-gourmet:20191223155748j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223183348j:plain

 

 

その1 原画&サイン色紙がすごい!

展示ゾーンに入ってすぐ目の前に広がるのが『ジャンプ原画ワールド』!週刊少年ジャンプだけでなくジャンプSQなどの系列媒体を含む100タイトル以上の作品の原画が展示されています。巨大なウェルカムゲートの両サイドには連載陣による描き下ろしサイン色紙がずらりと並んでいて圧巻!

f:id:tonai-gourmet:20191223160431j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223160503j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223160656j:plain

ブース内には各作品の生原稿やカラー扉絵の生原画が・・・!宝の山じゃー!それぞれの作品で全く違う描き方なのは当然として、どの原画も生きているかのような線の迫力に圧倒されまくります。どれだけ見ても全く飽きない・・・漫画が生まれる瞬間に立ち会ったかのような感動でちょっと涙。(一部の作品は複製原画の予約販売もあります)

f:id:tonai-gourmet:20191223161413j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223161432j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223161447j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223161513j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223161528j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223161543j:plain

原画ワールド以外にヤングジャンプなどは各媒体の専用ブースがあり、そこにもサイン色紙が展示されていたので好きな作品が掲載されているブースに立ち寄ってじっくり見てきました!

f:id:tonai-gourmet:20191223163109j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223163129j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223163144j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223163158j:plain

他にもいろんな作品の原画やサイン色紙の写真を撮ったり眺めたりと、かなりの時間を原画展示ゾーンで過ごしました。見ごたえ抜群です!

 


その2 メーカーブースの展示がすごい!

映像化された作品やゲーム化された作品などは、各メーカー毎にグッズの販売やパネル展示などがされています。巨大なスクリーンでアニメの映像を流していたり、声優さんのサイン色紙の展示や、作品にまつわる体験イベント、試遊会、フォトスポットなどなど盛りだくさん。いろんな工夫が凝らされていてどこも面白かったです!

f:id:tonai-gourmet:20191223164546j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223164611j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223164812j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223164826j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223164842j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223164852j:plain

 

その3 無料配布物の種類と量がすごい!

ジャンプフェスタは基本的に入場無料。さらに会場内を歩いているだけでいろんなスタッフからいろんなものがもらえるのですが、そのボリュームがとんでもなかった!

まず入場してすぐに「ジャンプフェスタ2020」オリジナルステッカーをもらい、続いて新連載やイチオシ作品の試し読み小冊子、小説化作品の号外新聞、炭治郎のお面etc・・・どんどん渡されました。

f:id:tonai-gourmet:20191223170005j:plain

f:id:tonai-gourmet:20191223170026j:plain

ヤンジャンブース付近では『キングダム』第一話試し読み小冊子&ステッカーと、『ゴールデンカムイ』二瓶の熊撃ち編をすべて収録した小冊子&鯉登少尉のあのクソコラ写真を完全再現できるシール(写真を撮るときに全ての鯉登が顔認証されて爆笑してしまった)。

f:id:tonai-gourmet:20191223170545j:plain

もらった小冊子だけでこの分厚さ・・・!

f:id:tonai-gourmet:20191223170855j:plain

他にもジャンプサイズの大きな冊子が配られていたりと大盤振る舞いで、しばらく読み物には困らなそうです・・・!

スクエアエニックスブースでは、その場でアプリをDLすると『FFⅦリメイク』のキービジュアルを使ったクリアファイルや『ドラゴンクエストⅪ』のキャラクター紹介冊子、スクエニ作品のポストカードセットなどがもらえたり、他のメーカーブースでも写真を撮ってツイートしたらグッズがもらえるとか、ゲームを試遊したらステッカーがもらえるとか、とにかくいろんなものを配布していました!

f:id:tonai-gourmet:20191223171650j:plain

こうして両手に抱えきれないほどの配布物をもらいましたが、そんな人向けのバッグも配布されています。写真上はアニプレックスブースでのグッズ購入額が3,000円以上の人に配布されるショップバッグで、下がエイベックス・ピクチャーズブースで完全無料で配布されていたバッグ。これで帰りも安心です。

f:id:tonai-gourmet:20191223171934j:plain
宣伝ついでに家までしっかり持って帰りました!

  

その4 ジャンプスーパーステージがすごい!

豪華ゲストが登壇する『ジャンプスーパーステージ』。私は『鬼滅の刃』と『Dr.STONE』のステージを観覧しました。

f:id:tonai-gourmet:20191223173340j:plain

どちらの作品もスクリーンに映し出された原作の激アツな名シーン(まだアニメ化されていないシーンも含む)を生アフレコをしてくれたのですが、好きな作品の好きなシーンってだけでも涙腺直撃な上に、声優さんの魂の籠った芝居が加わったら・・・そりゃ泣くよね・・・。

そして一番楽しみにしていたのが『Dr.STONE』でOP主題歌を担当したBURNOUT SYNDROMESの生歌!!『銀魂』の「花一匁」で初めて知り、今回の「Good Morning World!」という曲も作品に寄り添った力強い歌で大好きだったので、生で聴けて本当にうれしかったです。素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました!

 

 

こうして朝から夕方までジャンプの世界に浸かって楽しい時間を過ごせた『ジャンプフェスタ2020』。今回は時間がなくて立ち寄れませんでしたが、 2階には『ジャンプ図書館』という漫画の貸し出しスペースもあって、気になる作品を気軽に読んだりできるもの素敵だなぁと思いました。

f:id:tonai-gourmet:20191223183304j:plain

 人生初のジャンフェス最高でした!来年も行きたいなぁ!!

 

【イベント】『岸辺露伴は動かない』新作OVA上映会に行ってきた

12月8日(日)、私たちジョジョ好き夫婦はこの日から始まる岸辺露伴は動かない 奇譚見聞録 全国6都市上映ツアー』に参加するために東京ビックサイト駅に降り立った―。

f:id:tonai-gourmet:20191209151113j:plain

岸辺露伴は動かない』とは

まず岸辺露伴とは、荒木飛呂彦先生の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第四部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する主要キャラクターで、職業は漫画家。常にリアリティを追求し、自身の創作の糧にするためとあらば何でも自分で体験していくタイプ。初登場時には家で見つけた蜘蛛を解剖したり舐めたりすることで理解を深めようとする常軌を逸した行動で読者の度肝を抜いた。「ヘブンズ・ドアー」という特殊能力(スタンド)を持ち、スタンドを使って他人の人生を本のようにして読んだり、能力で新たな事実や行動を書き込んだりすることができる。性格は傲慢で俺様、上記の通り自分で体験しないと気が済まないので、自らトラブルに突っ込んでいったりトラブルを引き寄せたりしがち。そんな露伴先生が主役のスピンオフ作品が『岸辺露伴は動かない』で、彼が取材で見聞きしたり訪れた場所での奇妙な体験を描く人気シリーズ。これまでにルーブル美術館と公式コラボしていたり本当にすごいキャラクターでありシリーズなのだ!!

 

『奇譚見聞録 全国6都市上映ツアー』とは

ジョジョの奇妙な冒険』シリーズがこれまでアニメ化されているのと同じように、『岸辺露伴は動かない』も過去2つのエピソードがOVA化されており、今回新たに『懺悔室』と『ザ・ラン』というエピソードがOVAとなって2020年3月に発売されることとなった。そしてなんと発売前にその新作OVA2本を全国6都市で上映するという新たな試みがなされ、去る12月8日の東京昼公演に当選した私たちは、上映ツアー初日の初回、贅沢にも世界最速でこのOVAを観ることとなったのである!!

f:id:tonai-gourmet:20191209155836j:plain

上映前にオラオラジオでおなじみの構成作家・長田さんと、岸辺露伴を演じる櫻井孝宏さんが登壇。OVAは出来立てホヤホヤらしくキャストの皆さんもこの日会場入りしてから見ただけというお話がありました。そして上映会の会場であるTFTホールに合わせて、音響監督の岩浪さんが事前に音響チェックもしてくれている贅沢仕様だという期待の高まるお話の後、早速上映がスタートしました。

 

【ザ・ラン】

(2018年に週刊少年ジャンプ50周年の特別企画として掲載された、シリーズでは一番新しいエピソード。荒木先生が久しぶりに少年ジャンプに帰ってくるということで、普段電子版で購入していたジャンプをこの号は紙版も買って保存している)

このエピソードはシリーズの中でも特に露伴先生が追い詰められていた印象が強く、彼にしては珍しく己の行いを反省するところから始まります。その行いとはスポーツジムで知り合った橋本陽馬という青年とトレッドミル(ランニングマシーンのこと)で勝負をしたことなのですが、露伴先生がちょっかいをかけたこの橋本陽馬が大変ヤバかった。簡単に言うと“己の肉体美のために他のすべてを犠牲にしてでもトレーニングをする人”なのですが、その犠牲の払い方が常軌を逸している・・・。アニメだと原作以上に橋本陽馬の目のハイライトの有る無しで彼の異常性が細かく表現されていたように思え、ハイライトがない時のアップの顔とか声色とかが鳥肌が立つほど恐ろしかったです。そしてラストのトレッドミルでの再戦の緊張感たるや!アニメ化した醍醐味はここにあったッ!徐々にスピードアップしていくマシンを踏む音、露伴先生と橋本陽馬の息遣い、激しく切り替わるカット、それらすべてが洪水のように押し寄せてきて、クライマックスの時速25km、停止ボタンを獲る瞬間に向かって加速していく!文字通り息つく暇もない怒涛の展開。本当に最高でした。面白かった・・・。エンドロールでは極度の緊張から解放されたためか、しばし放心してしまうほどに『ザ・ラン』に引き込まれました。

 

【懺悔室】

露伴先生が取材のために訪れたヴェネツィアの教会でのエピソード。懺悔室とは罪を犯した人間が神父に懺悔をするために作られた部屋なのですが、部屋が2つに区切られていて、片方に神父、もう片方に罪人が入り、お互いの顔は見えない状態で懺悔ができるようになっています。初めは懺悔室の外から写真を撮っていただけの露伴先生でしたが、リアリティを求めるいつもの癖でつい中に入ってしまいます。するともう一方の部屋に男が現れ、露伴先生のことを神父だと思い込んで懺悔を始めてしまうのです。露伴先生は「自分が入ったのが神父側だとは断じて知らなかった」ようですが、そのまま自分が神父ではないということを明かさずに男の話を聞くことにします。これもすべて創作のため・・・。男が語ったのは、若い頃に運悪く死なせてしまったホームレスの老人と、その老人の恨みによってその後の彼の人生に起きた恐ろしい出来事について。荒木先生の作品には「一方がもう一方に(時に理不尽な)ゲームをふっかけて、相手がルールから外れたら死、ゲームに負けたらもちろん死」といったシチュエーションが数多くありますが、このエピソードのポップコーンキャッチも状況が異様すぎる。そんな中でも絶望の淵から知恵を絞って切り抜けようとする男のことを会場の全員が固唾をのんで見守っていたと思います。まぁ結果は・・・ね。そしてそれだけで終わらないのがこのエピソードの凄いところ。アニメで見ると男の回想シーンが「動」で懺悔室でのやり取りが「静」とはっきりと分かれていて、この物語の底知れぬ恐ろしさが強調されていると感じました。話を知っていても怖かった・・・。拍手。

 

バラエティトークのコーナー

上映後、再びの長田さんと櫻井さん、新たに『ザ・ラン』で橋本陽馬を演じた内山昂輝さん、『懺悔室』で謎の男と若い男とラストのある人物の三役を演じた高橋広樹さんの4人が登壇。皆さんジョジョTシャツを着て(高橋さんは今回のツアーグッズで全身をコーディネートして)いました。まずはお三方のジョジョとの出会いの話。櫻井さんと高橋さんは同い年で、ジョジョは連載当初からジャンプで読んでいたとのこと。内山さんはお友達にジョジョ好きがいて話には聞いていたけれど読んだことはなく、今回キャスティングされたことで4部を中心に読んだりアニメを見て役作りをしたそう。お気に入りは億泰とのこと。

『ザ・ラン』の収録は櫻井さんも内山さんもとても疲れたと仰っていて、内山さんは走る演技で息を切らせながら時速の表示を読まなければならず、演じながら気が遠くなりかけたというような話もありました。櫻井さんは、露伴が橋本陽馬が後ろ向きに走る様子を見て「バック走で!!」と叫ぶセリフが気になったらしく、バック走という言葉が実際にあるのか調べたりもしたそうです。

『懺悔室』は高橋さんの演じ分けが素晴らしくて、オーディションのときに監督がこの人しかいない!と思ったというエピソードがありました(確かにエンドロールで三役と分かったときは驚きました!)。老人の悪霊が舌に舌があるビジュアルなのが面白いとか、そもそもポップコーンを街灯の上まで飛ばすのが大変だとか、見ている私たちも思わず頷くツッコミがたくさんで面白かったです。

途中で櫻井さんの汗拭きタイムがあったり(最初メガネの上から顔を拭いていたのでびっくりしましたが、そのあと別の方がお話ししているときにこっそりメガネを外して拭いてました)、『懺悔室』の映像にまつわるマニアッククイズがあったりとあっという間に時間が過ぎていきました(マニアッククイズが全問正解で自分がジョジョを拗らせているものわかりました・・・)が、実際はOVAが50分だったのに対してバラエティトークはまさかの1時間超えの大盛り上がりでした!

 

今回の東京公演を皮切りに、名古屋・大阪・広島・仙台・大宮、そしてこの日追加で発表のあった長崎と、この新作OVAが上映されていくと思うとワクワクが止まりません!早く皆さんにも見てもらいたい!本当に大大大満足の上映会でした!これからもジョジョ岸辺露伴は動かないを応援していきたいと思います!

 

------------------------------

岸辺露伴は動かない 奇譚見聞録』公式HP

http://jojo-animation.com/ova/rohan/kitankenbunroku.html