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【イベント】『岸辺露伴は動かない』新作OVA上映会に行ってきた

12月8日(日)、私たちジョジョ好き夫婦はこの日から始まる岸辺露伴は動かない 奇譚見聞録 全国6都市上映ツアー』に参加するために東京ビックサイト駅に降り立った―。

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岸辺露伴は動かない』とは

まず岸辺露伴とは、荒木飛呂彦先生の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第四部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する主要キャラクターで、職業は漫画家。常にリアリティを追求し、自身の創作の糧にするためとあらば何でも自分で体験していくタイプ。初登場時には家で見つけた蜘蛛を解剖したり舐めたりすることで理解を深めようとする常軌を逸した行動で読者の度肝を抜いた。「ヘブンズ・ドアー」という特殊能力(スタンド)を持ち、スタンドを使って他人の人生を本のようにして読んだり、能力で新たな事実や行動を書き込んだりすることができる。性格は傲慢で俺様、上記の通り自分で体験しないと気が済まないので、自らトラブルに突っ込んでいったりトラブルを引き寄せたりしがち。そんな露伴先生が主役のスピンオフ作品が『岸辺露伴は動かない』で、彼が取材で見聞きしたり訪れた場所での奇妙な体験を描く人気シリーズ。これまでにルーブル美術館と公式コラボしていたり本当にすごいキャラクターでありシリーズなのだ!!

 

『奇譚見聞録 全国6都市上映ツアー』とは

ジョジョの奇妙な冒険』シリーズがこれまでアニメ化されているのと同じように、『岸辺露伴は動かない』も過去2つのエピソードがOVA化されており、今回新たに『懺悔室』と『ザ・ラン』というエピソードがOVAとなって2020年3月に発売されることとなった。そしてなんと発売前にその新作OVA2本を全国6都市で上映するという新たな試みがなされ、去る12月8日の東京昼公演に当選した私たちは、上映ツアー初日の初回、贅沢にも世界最速でこのOVAを観ることとなったのである!!

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上映前にオラオラジオでおなじみの構成作家・長田さんと、岸辺露伴を演じる櫻井孝宏さんが登壇。OVAは出来立てホヤホヤらしくキャストの皆さんもこの日会場入りしてから見ただけというお話がありました。そして上映会の会場であるTFTホールに合わせて、音響監督の岩浪さんが事前に音響チェックもしてくれている贅沢仕様だという期待の高まるお話の後、早速上映がスタートしました。

 

【ザ・ラン】

(2018年に週刊少年ジャンプ50周年の特別企画として掲載された、シリーズでは一番新しいエピソード。荒木先生が久しぶりに少年ジャンプに帰ってくるということで、普段電子版で購入していたジャンプをこの号は紙版も買って保存している)

このエピソードはシリーズの中でも特に露伴先生が追い詰められていた印象が強く、彼にしては珍しく己の行いを反省するところから始まります。その行いとはスポーツジムで知り合った橋本陽馬という青年とトレッドミル(ランニングマシーンのこと)で勝負をしたことなのですが、露伴先生がちょっかいをかけたこの橋本陽馬が大変ヤバかった。簡単に言うと“己の肉体美のために他のすべてを犠牲にしてでもトレーニングをする人”なのですが、その犠牲の払い方が常軌を逸している・・・。アニメだと原作以上に橋本陽馬の目のハイライトの有る無しで彼の異常性が細かく表現されていたように思え、ハイライトがない時のアップの顔とか声色とかが鳥肌が立つほど恐ろしかったです。そしてラストのトレッドミルでの再戦の緊張感たるや!アニメ化した醍醐味はここにあったッ!徐々にスピードアップしていくマシンを踏む音、露伴先生と橋本陽馬の息遣い、激しく切り替わるカット、それらすべてが洪水のように押し寄せてきて、クライマックスの時速25km、停止ボタンを獲る瞬間に向かって加速していく!文字通り息つく暇もない怒涛の展開。本当に最高でした。面白かった・・・。エンドロールでは極度の緊張から解放されたためか、しばし放心してしまうほどに『ザ・ラン』に引き込まれました。

 

【懺悔室】

露伴先生が取材のために訪れたヴェネツィアの教会でのエピソード。懺悔室とは罪を犯した人間が神父に懺悔をするために作られた部屋なのですが、部屋が2つに区切られていて、片方に神父、もう片方に罪人が入り、お互いの顔は見えない状態で懺悔ができるようになっています。初めは懺悔室の外から写真を撮っていただけの露伴先生でしたが、リアリティを求めるいつもの癖でつい中に入ってしまいます。するともう一方の部屋に男が現れ、露伴先生のことを神父だと思い込んで懺悔を始めてしまうのです。露伴先生は「自分が入ったのが神父側だとは断じて知らなかった」ようですが、そのまま自分が神父ではないということを明かさずに男の話を聞くことにします。これもすべて創作のため・・・。男が語ったのは、若い頃に運悪く死なせてしまったホームレスの老人と、その老人の恨みによってその後の彼の人生に起きた恐ろしい出来事について。荒木先生の作品には「一方がもう一方に(時に理不尽な)ゲームをふっかけて、相手がルールから外れたら死、ゲームに負けたらもちろん死」といったシチュエーションが数多くありますが、このエピソードのポップコーンキャッチも状況が異様すぎる。そんな中でも絶望の淵から知恵を絞って切り抜けようとする男のことを会場の全員が固唾をのんで見守っていたと思います。まぁ結果は・・・ね。そしてそれだけで終わらないのがこのエピソードの凄いところ。アニメで見ると男の回想シーンが「動」で懺悔室でのやり取りが「静」とはっきりと分かれていて、この物語の底知れぬ恐ろしさが強調されていると感じました。話を知っていても怖かった・・・。拍手。

 

バラエティトークのコーナー

上映後、再びの長田さんと櫻井さん、新たに『ザ・ラン』で橋本陽馬を演じた内山昂輝さん、『懺悔室』で謎の男と若い男とラストのある人物の三役を演じた高橋広樹さんの4人が登壇。皆さんジョジョTシャツを着て(高橋さんは今回のツアーグッズで全身をコーディネートして)いました。まずはお三方のジョジョとの出会いの話。櫻井さんと高橋さんは同い年で、ジョジョは連載当初からジャンプで読んでいたとのこと。内山さんはお友達にジョジョ好きがいて話には聞いていたけれど読んだことはなく、今回キャスティングされたことで4部を中心に読んだりアニメを見て役作りをしたそう。お気に入りは億泰とのこと。

『ザ・ラン』の収録は櫻井さんも内山さんもとても疲れたと仰っていて、内山さんは走る演技で息を切らせながら時速の表示を読まなければならず、演じながら気が遠くなりかけたというような話もありました。櫻井さんは、露伴が橋本陽馬が後ろ向きに走る様子を見て「バック走で!!」と叫ぶセリフが気になったらしく、バック走という言葉が実際にあるのか調べたりもしたそうです。

『懺悔室』は高橋さんの演じ分けが素晴らしくて、オーディションのときに監督がこの人しかいない!と思ったというエピソードがありました(確かにエンドロールで三役と分かったときは驚きました!)。老人の悪霊が舌に舌があるビジュアルなのが面白いとか、そもそもポップコーンを街灯の上まで飛ばすのが大変だとか、見ている私たちも思わず頷くツッコミがたくさんで面白かったです。

途中で櫻井さんの汗拭きタイムがあったり(最初メガネの上から顔を拭いていたのでびっくりしましたが、そのあと別の方がお話ししているときにこっそりメガネを外して拭いてました)、『懺悔室』の映像にまつわるマニアッククイズがあったりとあっという間に時間が過ぎていきました(マニアッククイズが全問正解で自分がジョジョを拗らせているものわかりました・・・)が、実際はOVAが50分だったのに対してバラエティトークはまさかの1時間超えの大盛り上がりでした!

 

今回の東京公演を皮切りに、名古屋・大阪・広島・仙台・大宮、そしてこの日追加で発表のあった長崎と、この新作OVAが上映されていくと思うとワクワクが止まりません!早く皆さんにも見てもらいたい!本当に大大大満足の上映会でした!これからもジョジョ岸辺露伴は動かないを応援していきたいと思います!

 

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岸辺露伴は動かない 奇譚見聞録』公式HP

http://jojo-animation.com/ova/rohan/kitankenbunroku.html